・売買手数料無料化の波
・ネット証券大手3社の比較
・業界再編への号砲になる
おはーん、ペーパー先生です。
株式の売買手数料無料化の波がいよいよ日本にも訪れましたね。
20日、ネット証券最大手のSBI証券さんは25歳以下の顧客に対し、
国内現物株の売買手数料を全額キャッシュバックすることを発表しました。
これにより、1日当たりの取引金額にかかわらず、手数料が実質無料となります。
また、将来的にはその対象をすべての利用者に拡大する方針です。
各社、段階的に無料化の範囲を広げてきましたがついに最終局面。
今日はネット証券大手3社の手数料についてやわらか紹介します。
ネット証券大手3社の比較
まずは業績から見ていきましょう。
<ネット証券大手3社の2020年4月~12月期決算>
※数字は純営業利益・純利益
SBI証券 1082億円・370億円
楽天証券 527億円・59億円
マネックス証券 205億円・18億円
各社ともに前年同期比で増収増益を確保しており、
利益面では売買手数料がその多くを占めます。
【出典】活況相場追い風 大手ネット証券、全社増収 4~12月期(日経電子版)
2021年1月29日 22:38 [有料会員限定]
続いては口座数および国内現物株式の売買手数料についてです。
<ネット証券3社の口座数>
SBI証券 5,714,648口座 ※2020年12月末
楽天証券 5,080,140口座 ※2020年12月末
マネックス証券 1,668,297口座 ※2021年3月末
昨年のコロナ禍での口座開設数の急増を受けて、
楽天証券さんが大きく数字を伸ばしています。
同証券では2020年3月に400万口座を達成し、9ヵ月後の12月には500万口座を突破。
100万口座積み増しのペースとしては過去最速のスピードとなっています。
<ネット証券3社の国内株式売買手数料(税込)>
■スタンダードプラン(1注文制)
~5万円:55円
~10万円:99円
~20万円:115円
~50万円:275円
~100万円:535円
~150万円:640円
~3,000万円:1,013円
3,000万円~:1,070円
■アクティブプラン(1日定額制)
~100万円:0円
以降100万円ごとに:440円
■超割コース(1注文制)
~5万円:55円
~10万円:99円
~20万円:115円
~50万円:275円
~100万円:535円
~150万円:640円
~3,000万円:1,013円
3,000万円~:1,070円
■いちにち定額コース(1日定額制)
~100万円:0円
~200万円:2,200円
~300万円:3,300円
300万円~:以降100万円ごとに1,100円
■取引毎手数料コース(1約定制)
~10万円:110円
~20万円:198円
~30万円:275円
~40万円:385円
~50万円:495円
~100万円:成行注文/1,100円 指値注文/1,650円
100万円~:成行注文/約定金額の0.11% 指値注文/約定金額の0.165%
※マネックストレーダー株式 スマートフォンの場合、50万円~:約定金額の0.11%
■一日定額手数料コース
~100万円:550円
100万~:300万円ごとに2,750円
月間利用ボックス(約定金額300万円ごとの売買)数:21回目からは2,475円 121回目からは1,815円
【出典】ネット証券おすすめランキング!株初心者におすすめの証券会社を徹底比較!(みんかぶChoice)
2021年4月9日
SBI証券さんと楽天証券さんはほぼ横並びで、
手数料の引き下げ合戦もこの両者でけん引しています。
なお、上記は国内株でしたが、米国株の場合は3社が、
1取引当たり約定代金の0.45%(税抜)、最低手数料は5ドル(税抜)、手数料上限は20ドル(税抜)と
横並びとなっています。
さいごに
米証券大手のチャールズ・シュワブさんが2019年10月1日に売買手数料撤廃を発表して以降、
米国では一斉に無料化への流れが加速しました。
SBI証券さんを傘下に持つSBIホールディングスさんは、その直後の決算会見で、
「売買手数料を今後3年でゼロにする」と宣言をしていましたから、
冒頭のニュースは、その実現に向けて着実に歩みを進めていると言えます。
こうなってくると各社は体力勝負。他の収入でカバーをしていく構造になります。
ゲームストップの乱で個人投資家に利用された米アプリ証券ロビンフッドさんは、
売買手数料無料で一躍若者を投資に駆り立てたわけですが、
HFTなどマーケットメーカー(値付け業者)から得るリベートが主な収入源です。
米チャールズ・シュワブさんやSBIホールディングスさんは、
銀行事業やアセットマネジメント事業など、証券以外でも広く収入源がある会社のため、同様の戦い方ができます。
手数料外の収益を生み出していく構造を持たない限り、証券各社は生き残りができませんから、
無料化の波は、業界再編への号砲にもなり得えるわけです。
我々は資産形成において、証券会社とのお付き合いは欠かせませんので、今後も注視をしてきたいですね。
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では、ごきげんよう。
個人投資家のコスト意識の高まりが投資環境を改善させる。