ごきげんよう、ぺいぱです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
https://youtu.be/8zhlN7XdE-I
1ヶ月ほど前、サブチャンネルで著名投資家レイ・ダリオさんの話題を取り上げました。世界有数のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者として知られる彼が、Xにこんなタイトルのポストをしたんですよね。
「It’s Official: The World Order Has Broken Down」(@RayDalio)
意訳すると「もう疑いようがない、世界秩序は崩壊した」といった感じでしょうか。
彼は以前から、歴史は6つの段階を繰り返す「ビッグサイクル」で動くと説いてきました。
<レイ・ダリオさんが説く6つのビッグサイクル>
第1段階:
新しい秩序の始まり(戦争の勝者が権力を握り、新しいルールをつくる)
第2段階:
繁栄とリソースの蓄積(秩序が安定し、経済が成長する)
第3段階:
平和と成長のピーク(最も豊かな時代。ただし格差が広がり始める)
第4段階:
過剰な拡大と負債の蓄積(軍事費・社会保障が膨らみ、借金が収入を上回る)
第5段階:
財政悪化と内部対立(通貨が下落し、ポピュリズムが台頭する)
第6段階:
大混乱・内戦・秩序崩壊(ルールが機能しなくなり、力が全てを決める)
レイ・ダリオさんは米国がすでに数年前から第5段階にあると警告し続けてきました。そして今回のポストで、第6段階への突入を「もはや公式の事実だ」と宣言したわけです。
繁栄があって、格差が広がって、財政が悪化して、やがて内部対立と大混乱に至る。そのサイクルの最終段階、つまり大混乱・内戦・秩序崩壊に今まさに突入したと述べたわけです。
「法の支配から力の支配へ」。ぼくは、なんとなく肌感覚でわかる部分もあるなと思いながら彼のポストを見ていました。今まで「こうだよね」と思っていたことが、どんどん覆されていく感じ。それは米中の激しい対立だったり、トランプさんの言動だったり、世界各地で台頭するポピュリズムだったり。
ただ、ぼくがこの話を見て思ったのは「世界が混沌としているからオルカン投資をやめよう」ではなく、むしろ逆。「こういう時代だからこそオルカンが最強じゃないか」 と。
今日はそんな話をしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
AIブームはオルカンへの追い風
こうした大きな時代の変化の中で、もう一つ投資家の間でよく語られているのが「AIブーム」です。この1年で「AIバブルが怖い」という文脈の話をよく見かけるようになりました。
米国株投資をする際の代表的なインデックスであるS&P500。上位10社で全体の40%近くを占めています。しかもその多くがAIに巨額投資をしている。
そして近年注目されているのは、この企業群のお金の流れ。エヌビディアはマイクロソフトやアマゾンといった巨大IT企業にAIチップを売る。その企業はそのチップを使ってAIサービスを構築し、さらにAIスタートアップに巨額の投資を行う。そしてそのスタートアップもまた、エヌビディアのチップを大量に買う。
一見、AI産業は巨大な成長に見えますが、見方を変えれば同じお金が仲間内をぐるぐる回っているだけとも言えます。外部から新たな富が生まれているのか、それとも内輪で膨らませているだけなのか。その答えは正直ぼくにはよくわかりません。
仮にこれが不都合な真実だとして、もしAIに対する過剰な期待が本格的に弾けたら、指数は大きなダメージを受けるかもしれません。
では、このAIブームを踏まえたときに、オルカン投資はどうなのか。オルカンは、日本や米国をはじめ世界47の国・地域、約2,500銘柄に一度に分散投資できるインデックスファンドのことで、MSCIオール・カントリー・ワールドインデックス (ACWI)という指数に連動した投資信託やETF商品の総称。個別商品としては、日本国内では三菱UFJアセットマネジメントの運用する『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が最も有名です。
先ほどの話に続きますが、まぁ、オルカンだって構成の約6割は米国株ですから、AIバブルが弾ければ無傷ではいられない。ぼくがそんなオルカンをコア資産として保有していて思うのは、こういう変化の時代に「だから怖いな」ではなく「それでもオルカンは合理的」ということです。AIブームは「隆盛」と「衰退」の両面で語る必要があると思うのでまずは隆盛からいきましょう。
このAIブームはむしろ追い風だなとすらぼくは思います。理由はシンプル。AIで恩恵を受ける企業は米国だけじゃないから。
筆頭は台湾のTSMC。世界の最先端半導体の多くを製造している会社です。AIチップを動かすには半導体が必要で、TSMCなしには世界のAIインフラは成り立たない。オランダのASMLも同じです。半導体製造に不可欠な露光装置を、世界でほぼ独占的に供給している会社。AIブームが続けば続くほど、この会社の需要は増える。韓国のサムスンだってそうです。これらは全部、オルカンの構成銘柄に入っています。
ではAIブームが「衰退」していくとどうか。オルカンは時価総額加重平均なので、成長した企業の比率が自動的に上がっていきますがその逆も然り。エヌビディアの成長が鈍化すれば、その比率も下がる。TSMCの成長が鈍化すれば、その比率も下がる。つまり「AIの次に来るもの」が「どこの地域から出てきても」多く持つことができるとも言い換えられます。放置しておいてもです。年間0.08%ほどの手数料を支払うだけでこれができる。すごいことだと思いませんか。
自分で「次に来るのはどこだ」と予測しなくていい。ただ持ち続けるだけで、成長しているところへの比率が自動的に増えていく。AIが当たっても外れても、世界のどこかが成長していれば、それを自動的に取りに行けるわけです。
ぺいぱは純資産ベースで全体の44%がオルカンです。不動産を除いた金融資産ベースでは実に77%ほど。しかしながら、AIバブル論が盛んになっている今でも構成を大きく変えようと考えたことはありません。
<ぺいぱのアセットアロケーション(純資産)>
オルカン:44.38%
不動産: 42.22%
暗号資産:10.79%
法定通貨:2.61%
<ぺいぱのアセットアロケーション(金融資産)>
オルカン:76.80%
暗号資産:18.68%
法定通貨:4.52%
※2026年2月28日時点
世界秩序が揺らいでいるからこそのオルカン
レイ・ダリオさんの話に戻ります。彼が言う「世界秩序は崩壊した」という根底にあるのは「今まで機能していたルールが機能しなくなった」ということです。戦後80年間続いた米国中心の国際秩序、国連、IMF、WTO。こういった枠組みへの信頼が急速に崩れている。投資の文脈で言い換えると、「米国が世界のリーダーであり続ける」という前提が揺らいでいるということです。
1900年代初頭、世界の株式市場の約24%を占めていたのはイギリスでした。当時ロンドンは世界の金融首都で、大英帝国は世界中に影響力を持っていた。まさに現代における米国の立場です。でも今、イギリスはどうなっているか。
1980年代後半には、日本が世界を席巻しました。当時の日本の株式市場は、世界の時価総額の約40%を占めたとも言われます。「これからは日本の時代だ」と多くの人が確信していた。でも今、日本の存在感はどうか。
歴史上、永遠に覇権を維持した国は一つもない。これは事実が示していることです。だとすれば、今の時代に「米国中心」に賭けるのは、過去に「イギリス中心」や「日本中心」に賭けていたのと、構造的に同じリスクを抱えているとも言えます。
オルカンはその点、どこが覇権を握っても自動でついていける設計です。米国が強ければ米国比率が高いまま推移するし、中国やインドが台頭すれば自動でそちらへのウェイトが増えていく。「次の覇権国がどこか」を当てる必要がない。
世界が不安定であればあるほど、一国に集中することのリスクが高まる。そして、そのリスクをもっともシンプルに回避できるのがオルカンだというわけです。
オルカン民は投資家じゃない論について
少し前に、こんな話題がSNSでざわついていました。
「オルカンやってる人って、自分のこと投資家だと思ってるの?」
まあ、言いたいことはわかります。個別株を分析して、タイミングを見て、自分の判断で売買する。それと比べたら、オルカンの積立・保有なんて「決まったことを淡々とこなすルーティンワーク」に見えるのかもしれない。
でもぺいぱ、このポスト読んでも何も感じなかったんですよね。「投資家かどうか」って、別にどうでもよくないですか。見栄えよりも肩書きよりも、10年後・20年後に資産が増えているかどうかの方がずっと重要なことだと思っていて。
それに、こういう「あなたたちとは違う」系の発言って、たいていSNSのアルゴリズムに乗せるために強めの言葉を選んでいるだけだったりします。インプレッションを稼ぐために、わかりやすい対立構図を作る。それ自体がひとつのビジネスなので、真剣に受け取るのもなんか違うなと。
思考停止かどうかは、結果が出てから振り返れば十分です。
投資以外でも身を守る時代に入った
ただ、正直に言うと、投資だけで全部解決できる時代でもなくなってきたかなとも感じています。オルカンはここまで述べてきたように非常に万能。唯一弱いところがあるとすれば、それは株式というアセットに一点張りとなることです。
レイ・ダリオさんも言っていましたが、こういう時代は「現物資産」が強い。ゴールドがその筆頭として挙げられていましたが、ぼくが思うのはもう少し広い意味での「現物」です。
エネルギーや食料をどこまで自分で確保できるか。電気・水・食べ物、これらが「当たり前にある」ことを前提にしていると、その前提が崩れたときに一気に脆弱になる。コンビニにいつでも食べ物がある生活は、実はとても複雑なインフラの上に成り立っている。
ぼく自身は今、都心と地方の2拠点をどう持つか、ということをわりと真剣に考えています。これはリスク分散という意味もあるし、どちらのコミュニティにも属しておくことで、有事のとき助け合える関係性を作るという意味もある。
あとはスキル。自分でお金を生み出す力があれば、それが最大の防衛になる。どんな相場でも、どんな世の中でも、収入源が自分自身の中にあれば、資産を慌てて取り崩す必要がない。
ポートフォリオを整えることと、生活基盤を整えること、自らの力で対価を得られるようにすること。このように「面」で捉えていくのが、これからの時代における個人のリスク管理だと思っています。
おしらせ
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さいごに
今回は「AIブームの今、改めてオルカン保有が最高に合理的だと確信している話」をテーマに進めてきましたが、いかがだったでしょうか?
今の相場、どうすればいいかという不安を持たれている方もいらっしゃると思います。ぼくの答えはシンプルで、予測しない、タイミングを測らない。選ばないことを選ぶ。世界秩序が揺らごうと、AIバブル論が盛り上がろうと、世界の経済成長そのものへのベットをやめる理由にはならない。むしろ、不確実性が高い時代だからこそ「どう転んでも受け止めてくれる」オルカンが輝く。そう確信しています。
皆さんは、この最近の世界情勢やAIブームなどをどう受け止めていますでしょうか? 資産運用のあり方に何か変化をもたらしましたでしょうか? ぜひコメント欄で教えていただけると嬉しいです。
この「やわらか中学校」では、ぺいぱの資産運用の実体験を中心にお金や仕事に関する話題をお届けしています。ぜひチャンネル登録・いいね・コメントをよろしくお願いいたします!
また、YouTubeサブチャンネル「ぺいぱのひとりごと」は、ぺいぱが興味関心のある話題を取り上げて好き放題喋り倒すラジオのような配信番組となっています。
そしてこの「やわらか中学校」から生まれた4コママンガ「やわらかクエスト -お金と仕事と呪われし大陸-」をnoteで連載中。中世RPG風の世界観でお金や仕事に関するあるあるネタを扱った作品となっていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
ということで、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
世界が揺らぐ今こそ、オルカンは最強の相棒。

