・「iPhone13」シリーズ発売
・上昇する価格、横ばいの物価や賃金
・本当に必要な支出かどうか
おはーん、ペーパー先生です。
アップルの新型スマートフォン「iPhone13」シリーズが先月24日に発売されました。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
カメラ機能のアップデートなどが中心で、「12S」という位置づけの新型ですが、
発売日にはこのような記事が掲出されていました。
アップルストアの丸の内店(東京・千代田)には、午前8時の開店前に10数人が「密」を避けるため間隔を空けて列を作った。アップル側はコロナ対策のため、朝の受け取りは事前予約制とし、人数も絞った。アップル日本法人によると、表参道店(東京・渋谷)では開店前に100人近くが並んだという。
20代会社員の男性は丸の内店で最新機種「13Pro」を受け取った。毎年最新機種に買い替えているといい、店頭受け取りを選んだ。今回は特に「映画のようにピントが切り替わるカメラの機能に期待している。日常生活や旅行先で動画を撮りたい」と笑顔で話した。
iPhoneは最新機種の価格が年々上昇傾向だ。定価13万4800円の「ProMax」を購入した大学生は「高い買い物だが、下取りなどでやりくりしている」と話す。会社員の男性(49)は「10万円超えを毎年買い替えるのはきつい」と、iPhone購入を見送る代わりにiPadの新作を買った。
【出典】iPhone13発売、静かな初日 携帯大手はイベント見送り(日経電子版)
2021年9月24日 11:09
驚くのは、いまやパソコンよりも高価なアイテムとなった新型iPhoneを
毎年買い替えている人がそこそこいるということ。
使用している機種を下取りに出すことで支出は抑えることはできますが、
それでも半分以上は支払う必要があります。
iPhone 12 Pro Max/84,000円
iPhone 12 Pro/74,000円
iPhone 12/56,000円
iPhone 12 mini/46,000円
iPhone SE(第2世代)/19,000円
iPhone 11 Pro Max/57,000円
iPhone 11 Pro/48,000円
iPhone 11/39,000円
iPhone XS Max/37,000円
iPhone XS/31,000円
iPhone XR/25,000円
iPhone X/22,000円
iPhone 8 Plus/19,000円
iPhone 8/14,000円
iPhone 7 Plus/11,000円
iPhone 7/6,000円
iPhone 6s Plus/5,000円
iPhone 6s/3,000円
iPhone 6 Plus/3,000円
※金額は最大下取り額
iPhoneは旧モデルでも中古市場での人気が高く、
価格が落ちにくいIT機器という見方もできますが、
それでも価値は確実に目減りしていくため、不動産や腕時計のような投資対象にはなり得ません。
では、生活の効率や質が支出に見合って向上するかというとそうでもない。
こうした点からも、毎年買い替える必要性が本当にあるのか、良く分かりません。
最近、節約に傾倒しているからそう映るんでしょうか(笑)
最新ガジェットをYouTubeなどでレビューされている人気配信者であれば、
1回の配信で元が取れるんでしょうけれど、
一般の方は適切な支出になっているとは思えません。
ちなみに、先生はアップルのオンラインイベントは毎回ライブ視聴していますし、
「Performa 6210」以来、かれこれ四半世紀に渡ってのアップルユーザーです。
その立場でひいき目にみても、最近の新型が毎年買い換えるほどの”引き”はないと映ります。
<🍎クックCEO時代>
💰時価総額
約40兆円(11年8月)
→270兆円(21年8月)📱iPhone稼働数
約1億台
→10億台(20年)🌏有料アプリ配信市場シェア
64%(20年)ジョブズ氏からバトンを受けたクック氏の快走はまだ続きそうですが、一方で革新を生まず過去遺産で戦う企業の利益率は必然的に高まるのも事実。 https://t.co/1UTrE4X7nX
— ペーパー先生 (@papercapinfo) September 10, 2021
でも毎年買い換える方がいるわけですから、もうiPhoneの魔力と呼ぶしかないですね。
上昇する価格、横ばいの物価や賃金
さて、そんな新型iPhoneですが価格は性能と比例して上昇の一途です。
同じく日経電子版の記事ですが、このような記載があります。
毎年出す新製品の端末価格は上昇を続けた。「4S」の価格は16GBで4万円台、64GBでも7万円台だったが、消費増税もあり、18年発売の「XS」「XR」シリーズは、9万~17万円台と倍増した。廉価版の「SE」を除けば米国での価格も上がっている。「13」では上位機種「ProMax」で新たに投入した1TB(テラバイト)のモデルが1599ドルと過去最高だった。
世界の先進国を見渡せば、経済成長やインフレで物価も収入も伸びてきた。1人当たりの名目国内総生産(GDP)で米国は、19年に約6万5000ドル(約720万円)と10年比で35%増えた。低成長から抜け出せない日本は、19年に443万円と増加率は13%にとどまる。
厚生労働省が毎年公表する賃金構造基本調査でもフルタイム労働者の残業代を含む賃金は20年に月33万600円と10年比で2%しか増えなかった。その結果、月の賃金に占めるiPhone端末価格の割合は、10年の最大19%から59%に上昇した。
【出典】iPhone価格、10年で3倍の19万円 日本人平均月収の6割(日経電子版)
2021年9月16日 2:00 [有料会員限定]
「Max」や「Pro」といったハイエンドモデルの追加のほか、
端末代と通信料を分離するという販売方法の変更もありましたから、
なおのこと、本体価格が跳ね上がった印象をもってしまうのも仕方ありません。
この記事では、端末価格が上昇しているだけでなく、
物価や賃金が他地域と比べて伸びていない日本は世界で見ると相対的に、
iPhone購入の負担がさらに重くなっているという、悲しい実情が解説されています。
なお、MM総研が毎年発表している「国内携帯電話端末の出荷台数調査」を元に算出した
1年間における新型iPhoneの販売割合は、全体のおよそ25%と試算されています。
つまり、国内で年間に新規販売されるスマホのうち1/4は新型iPhoneと推計できるということです。
1ブランドでこれだけの求心力があるという凄さが伺えますね。
【出典】「iPhoneはどこまで値上げを繰り返すのか」新機種が出るたびにそう感じる人の大誤解(プレジデントオンライン)
2021/09/24 11:00
さいごに
先生は「iPhone 6 Plus」を4年ほど、現在の「iPhone XS Max」も4年目に入りました。
何と言っても「PowerMac G4 Cube」を15年も使っていた人ですから、
iPhoneも最低でも5年は使えると考えています。
もちろん、スマホは生活インフラ。
買い替えを我慢しすぎて、あまりに生活が不自由・非効率になるのは本末転倒です。
一方で、ハードウェアの進化よりもソフトウェアの進化の方が早いということもあって、
買い替えの必要性が薄れている理由の1つになっているとも言えます。
いづれにしても、iPhone購入は大きな支出であることに変わりありませんから、
自動車などの購入時と同様に、
・中古じゃダメなのか?
・このモデルじゃなければダメなのか?
などを十二分に吟味して判断したいところですね。
では、ごきげんよう。
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良いものを長く使うことが大事。