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会社人間の後遺症:FIRE後に襲う「自由が落ち着かない病」

会社人間の後遺症:FIRE後に襲う「自由が落ち着かない病」
この記事で分かること

・仕事人間がFIRE直後に感じるソワソワ
・心地よい生活習慣は自ずと固まる
・刺激と成長を保つための歩み方

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

今回は、FIREをせっかく達成したにもかかわらず会社員時代の「モーレツ労働」のクセがどうにも抜けず、何かしていないとソワソワ、のんびりしていると落ち着かない……。そんな状態に陥っているぺいぱについて語っていきたいと思います。

いま会社員をされていて、将来的にFIREを検討されている方は、何らかに参考にしていただけるかと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

早期退職の前後

ぺいぱは2024年の年末、四半世紀続けてきた会社員生活にピリオドを打ちました。きっかけは、管理職としての仕事があまりにもハードだったこと。業務の重圧から体調を崩したのが早期退職に踏み切る一つのトリガーになりました。


ぺいぱ、会社やめるってよ:体調・体力・気力がいよいよ限界に
ぺいぱ、会社やめるってよ:体調・体力・気力がいよいよ限界についに「ぺいぱ、会社を辞める」という話題について話をしていこうと思います。人間にとって「生まれた時」「社会人になった時」と並ぶぐらいのビッグイベントである「勤め先を辞める時」の生の情報をお届けしようと思い、これをまとめました。ラジオ感覚で話を進めていきますのでぜひ最後までお付き合いください。...

ただ、誤解のないように言っておくと、「体調を崩した=だから辞めるしかなかった」という話ではないんですよね。むしろ、「ああ、今が潮時なのかもしれないな」と。そう思わせてくれるだけの蓄積と、そして感覚的なタイミングが重なった。そんなこんなでFIREという決断に至ったという感じです。

体調も万全じゃなかったこともあり「しばらくはゆっくりしよう」と思っていたんですよ。なんなら、1年ぐらいのんびりしてもいいかなと。だってFIREって、結局「時間を手にいれる」ことが大きな意味じゃないですか。四半世紀、がむしゃらに働いてきたわけですから、少しぐらい羽を伸ばしてもいいでしょ、と。

……ところが一方で、ぺいぱにはですね、会社員時代からずっと染み付いていたある習慣が。それは「プライベート」と「仕事」を分けて考えるタイプじゃなかったんです。プライベートが特別充実していたわけでもないし(悲)、基本的には会社員としての仕事に全力投球。朝起きたらすぐに仕事モード、休日もどこか仕事のことを考えてる。そんな日々が、もう20年以上も続いていたんですよね。

休みの使い方が下手くそ

たとえば、わかりやすい例で言うと会社員時代の「長期休暇」がそうでした。夏休み・冬休み。うまく休日をつなげれば、7〜8連休くらいにはなる。それなりにまとまった休みが取れるんですよね。でも、いざもらっても「どう過ごしていいか分からない」わけです。結局、長期休みに入ると決まって体調を崩してました(笑)

風邪をひいたり、熱を出したり。おそらく、普段の仕事で無意識のうちに気を張っていたんでしょうね。で、その緊張の糸がぷつっと切れる。すると、ドッと疲れが出て倒れる。これが毎回のパターンでした。

本来であれば、長期休暇だからこそ、

 ・週末だけじゃ行けない場所に行こう
 ・いつもと違う体験をしてみよう

こういうアイデアが出てきてもおかしくないはずなんですが、ぼくにはそんな発想がなかったんですよね。もう完全に「仕事をしていない自分」が想像できない。それが長年、染み付いてしまっていたということなんだと思います。

だからこそ、いざFIREして仕事がパタッとなくなると、どうにも手持ちぶさたで落ち着かないんです。「何かしていないと不安」という感覚がずっとつきまとう。もう会社員後遺症です。

この1月から無職生活をしているわけですが、何をやってもいいんです。映画を好きなだけ観に行ってもいいし、ゲームを一日中やっていたって誰にも怒られない。朝寝坊しようが、昼寝しようが自由。FIREのメリットって、まさにこういう時間の解放だと思うんです。

でも、なんかやっぱり何かしていないとソワソワする。じっとしていると「これでいいのか?」って気持ちになってしまう。それが、もう体に染みついちゃってるんですよね。

ちょうど昨年10月から脚本の学校に通っていて、いまはコンクール応募に向けて脚本の執筆もしています。これは自分の意思で「やろう」と思って始めたもの。それからYouTubeチャンネルの運営。こちらも会社員のときから細々と続けていたんですが、今は更新頻度を上げて、企画を考えたり編集したりと、結構な時間をそこにも使っています。

結局、どうなっているかというと「机に向かって、何かをしている時間」がほとんどなんですよ。まぁ、それが良い・悪いという話ではありません。でも、会社という環境の中で仕事に全力投球してきた人が、いざそこから解放された時に、どういう状態になるのか。まさに今のぺいぱが、その実験体のような状況です。よく「マグロは泳ぎを止めると死ぬ」って言いますけど、もう完全にあれです。

バタバタ慌ただしい生活

ただし、同じバタバタ生活しているという状態でも、会社員時代のそれと今とでは中身がまったく違います。たとえば会社員の頃は、

 ・誰かに言われて…
 ・期限があって…
 ・責任が伴って…

と、やらされ感がつきまとう。でも、今は違う。やることはすべて自分で組み立てて、自分の意思で動いている。この「自分で時間を構築できる」っていう点が最大の違い。

人間って、何かを得るにはやっぱり「インプットとアウトプット」の繰り返ししかないと思うんですよね。脚本にしても、YouTubeにしても、資格の勉強にしても、趣味にしても、結局どれだけ吸収して、それをどれだけ自分の言葉や形で外に出せるか。ここに尽きると思っています。だからバタバタ慌ただしく生活することにも意味はあるわけです。

デメリットがあるとすれば「人とのコミュニケーションの量」ですね。会社員の頃は、毎日誰かと

 ・会話して
 ・会議して
 ・調整して
 ・説明して
 ・報告して……

もう、それだけで一日終わってたわけですよ。もちろん、コミュニケーションのほとんどがストレス源だったりもしました。健全だったとは言えない。だけど、それでも、誰かと接することで刺激を受けたり、反応をもらったり、気づかされたりしていたわけです。

今のぺいぱはというと、会社員時代の人間関係、LINEや電話帳もすべて一旦削除してリセットしました。「新しい人生を始めよう」と思ったからこその決断です。なので本当に誰とも会わない。だからストレスもない。けれど刺激もない。新しい知見を得る機会も、新しい人に出会う場も激減している。このままだと、人間としての厚みみたいなものがどんどん削られていってしまうような気がするんですよね。

だから今は、意識的にそれらを補うことがすごく大事なんだと思っています。誰かと話す、出会う、触れる、感じる。その能動性を持ち続けられるかどうかが、FIRE後の「人間力の維持」につながっていくんじゃないかなと思っています。

いろいろなタイプ

FIREをした人の中には、いろんなタイプの方がいると思います。たとえば、もともとプライベートが充実していた方。資産形成をコツコツ頑張ってきて、ようやく時間を手に入れ、やりたかった趣味や活動にどっぷり時間を使えるようになった。そんな方は、あまり悩むことなく「自由な時間」を満喫しているのかもしれません。

一方で、ぺいぱのように、会社員という働き方にがっつり軸足を置いてきたタイプ。仕事中心の人生だった人間が、ある日突然その軸を失うと手持ちぶさたになるわけです。で、このタイプもさらに両極に分かれると思うんです。

ひとつは「せっかく自由な時間が手に入ったんだから何もしない」タイプ。1日中YouTubeやNetflixを観て、気づいたらもう夕方。「まぁ明日も暇だし」と、のんびりループを続けていく人。

もうひとつは「何かしていないと落ち着かない」タイプ。まさに今のぺいぱがそうで、常に何かに取り組んでいないと、なんとなく不安だったり、損しているような気分になってしまう。

どっちが正解という話ではありません。結局のところ、自分が「満足しているかどうか」が大事なんですよね。注意点があるとすれば、自分で積んだタスクでも量が多すぎるとストレスになるんです。やらされてるわけじゃないからストレスゼロと、そんなに単純でもない。なのでぺいぱは「頑張らない」ってことを常に意識しています。

いろんなことに挑戦するけど、無理はしない。「今日はなんとなく書けないな」と思ったら、脚本もお休み。YouTubeも更新が使命ではなく、自分の楽しみとしてやる。その上で必要なのは、取捨選択。次々に新しいことをやっていたら、手が回らなくなりますからね。

 ・これは細く長く続けたい
 ・これはいったん離れよう

と、自分の中で強弱や線を引く力、意思決定力が問われる。それはきっと、FIRE生活の充実度を大きく左右すると思うんです。

成長には負荷がいる

あとは、バランスですよね。これは筋トレにも似てると思うんです。筋トレって、筋肉に適度な負荷をかけていくことで成長していくじゃないですか。生き方もたぶん、それと一緒なんですよね。たとえ不得意なことでも、一つのことに踏ん張って取り組み続ける。結果が出るかどうかはさておき「やりきる」ことがその人の成長を促す。そういう経験を有無を言わさず与えてくれるのが、会社員生活だったなって思うんです。

やりたい仕事だけが回ってくるわけじゃない。むしろ、やりたくない仕事、苦手な分野、面倒な調整、理不尽な対応……そんなものが山のように降ってくる。でも、そうやって鍛えられていくんですよね。5年後、10年後に「あの時やっておいてよかったな」って思える。自分で選べないからこそ、強制的に成長できた。これは会社員という働き方の、ある種のメリットだと今になって思います。

それに比べてFIRE後はどうか。もう完全にビュッフェスタイルなんですよ。

 ・これは好きだから多めに
 ・あれは嫌いだからいらない
 ・今日は少なめにしよ

っていう毎日。するとどうなるか? やっぱり偏るんですよね。気づくと、好きなことだけやってる。やりたくないことは、そもそもスルーしてる。その自由こそがFIREの醍醐味ではあるんだけど、一方で「偏った時間の使い方」が習慣化すると、心や体の栄養バランスが崩れていく感じがあるんですよね。

だからこそ、自分を怠けさせないための時間割を組む力が必要になる。「朝は脚本、午後は運動、夜は読書」みたいに、ある程度意識的に時間を構成していかないと、気づいたらただ流されるだけの毎日になってしまう。

もちろん、これはあくまで仕事人間だったぺいぱの感覚です。「いやいや、せっかく自由になったんだから、もっとゆっくりしたらええやん」って思う方もいるでしょうし。では、自分にとっての「ちょうどいいペース」はどこか。そこを探っていくことが、FIRE後の時間を豊かにするためのポイントなんじゃないかと、いまはそんなふうに思っています。

やっていきたいこと

これからやっていきたいことについて、少しお話しておこうと思います。まず手元の話からいくと、いま脚本の勉強と執筆をしています。7月いっぱいまでは、いくつかのコンクールに向けて応募作を書いているところです。脚本の世界って、なかなかに狭き門なんですよね。すぐに結果が出るものではないと思うんですが、いずれお仕事として成立するレベルまで、腕を磨いていきたいなと思っています。

それと、YouTubeチャンネル「やわらか中学校」の運営。これも引き続きやっていきます。とくに、FIREした人がどんな生活をしているのか。会社員を辞めた人の思考や感情、価値観の変化に興味を持ってくださっている方が多いと感じています。だからこそ、より細かく、リアルな変化の記録をお届けしたい。「こんなこと考えるようになった」とか「今こういう生活をしてます」とか、そういうものを発信していく場として、このチャンネルを活用していくつもりです。

それから気分転換も大事ですよね。いま引っ越し先を探しているところなんですが、そのあたりが落ち着いたら、国内をあちこち旅したいなと思っています。会社員時代はなかなか行けなかった、平日の観光地や長期滞在。そういうこともFIRE後ならできる。まさに自由時間の醍醐味ですね。

さらに、もう少し先の話をすると、2021年のコロナ禍に時間があったこともあって「FP2級」と「AFP」を取得しました。そこからは特に資格勉強はしてこなかったんですが、あらためて何かやりたい気持ちが出てきています。次はFP1級かもしれないし、全く別の分野の資格かもしれない。いずれにしても、「自分をアップデートする手段」として、体系的に知識をインプットできる資格勉強はすごく意味があると感じています。

そして最後にやっぱり何かしらの仕事を、個人としてできたらいいなと。もちろん、もう会社に戻って働こうとは思っていません。でも「ものを書く」ということ、それが「誰かの役に立つ」ということ。そういったことを人生の目標のひとつに掲げている以上、これらを自分のペースでやっていきたいです。


新章開幕!金融資産7,500万円FIRE後の目標設定を考える
新章開幕!金融資産7,500万円FIRE後の目標設定を考える先日、資産形成の目標額だった金融資産7,500万円を無事に達成し、そのご報告をさせていただきました。ここ数日、次の目標設定がどうあるべきかを色々と考えていたのですが、お金ではない部分を目標に据えていくことになりますから実はこちらの方が立てるのすごく難しいんですよね。第二の人生、どのように歩むべきか。FIREを達成した後に人は何を目標に生きていくのか。なかなか深いテーマではありますが、今回はそこに真剣に向き合ってみました。現在、資産形成に励まれていて将来的にFIREを目指していくという方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお楽しみください!...

エンジンブレーキ

ということで今回は、FIREしてみたはいいけれど「なんだか手持ち無沙汰で落ち着かない」「何かしていないと不安になる」という、ぺいぱ自身の実感をお話ししてきました。

正直、どうあるべきかなんていう正解はないんですよね。でもぼくは、今後もそれなりに慌ただしく、いろんなことに取り組みながら生きていこうと思っています。会社員時代にはなかなか手を出せなかった新しいことにチャレンジできる権利は思いきり使ってやろうと。

とはいえ、最初は落ち着かないのも当然なんです。手持ち無沙汰だったり、ふとソワソワしたり、ちょっとした不安に襲われたり。それって、人間が新しい環境に適応していく過程なんですよね。だからこそ、まずは自分のペースを知るまで、少し時間をかけてみるのが大事。たぶん1年くらいすれば「この生活スタイルが自分に合ってるな」って自然に思えるようになる。意識して整えるというより、気づいたらそうなってた。そういうもんだと思います。

例えるなら、6速ギアで走ってきた車が急に停まろうとしてるようなもの。そりゃあ、エンジンブレーキかけたっていきなり止まれません。5速、4速とギアを落として、少しずつ減速していく必要がある。だから、FIREや早期退職を考えている人は、会社を辞めた後に「これをやろうかな」「あれに挑戦してみようかな」っていうことを、2つか3つ頭の中に用意しておくと、スムーズにシフトダウンしていけると思います。

おしらせ

キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!

「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテム

さいごに

この「やわらか中学校」では、取り上げてほしいテーマを募集しています。すべてにお答えできるわけではありませんが、今後のテーマ選びの参考にさせていただきます。また、ぺいぱに聞いてみたいことなども大歓迎です! ぜひコメント欄で教えてください!

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

気づいた時にはもうマイペース。

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