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会社の退職、本当の理由を言うか?言わないか?

会社の退職、本当の理由を言うか?言わないか?
この記事で分かること

・退職時に本当の理由を伝えるか否か
・会社に伝えた本当の退職理由ランキング
・ぺいぱの過去3回の退職理由

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

タイトルがなんだか「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」的な感じになりましたが(笑)、今回は「会社退職の理由」をテーマに進めていこうと思います。理由のいらない定年を除いて考えることになりますから、転職する場合が主になるでしょう。

各種統計を見ると「1年間のうちに転職する正社員の割合」は近年7%台中盤で推移しています。数字自体は少ないですが、これはあくまで1年間での退職者割合です。日本の労働市場は近年流動性が高まっており、特に20代の転職率は10%を超えることが多く、30代前半も比較的高めです。

公務員や終身雇用志向の強い伝統的な企業や業界、また40代後半以降の世代など、転職しにくい層もまだまだ多く「誰もが必ずしも1度は転職をする」とまでは言い切れない側面もありますが、昭和と比較すれば令和の現在は確実に身近になりつつある存在。それが転職であり、退職であるわけです。

ぼくは2000年に社会人になって以降、昨年2024年に早期退職をするまで、およそ四半世紀ほど会社員をしてきました。かなりざっくりですがこのような流れです。

ぺいぱの会社員遍歴

 ・2000年〜02年:ベンチャー企業(デザイナー)/20代前半
 ・2003年〜05年:IT企業(デザイナー)/20代後半
 ・2005年〜24年:IT企業(いろいろ)/20代後半〜40代中盤

2002年から1年間ほどフリーランスで活動していた期間を挟んでいますが、いずれにも共通しているのはすべてIT関連の領域だったことです。この分野での四半世紀というのはとんでもなく凄いスピードと密度で物事が進んでいますので、自分的には50年ぐらい会社員やっていたんじゃないか、という感覚です。

いずれにしても、このようにぼくは過去3度「会社の退職」を経験してきました。今回はそんなぺいぱ自身の経験を交えながら、世の中では具体的にどんな理由で退職をしているのか。人材大手エン・ジャパンによる調査レポートを参照しながら話を進めていきます。調査概要はこの通りです。

<調査概要>
 ・調査方法:インターネットによるアンケート
 ・調査期間:2024年5月18日~7月12日
 ・有効回答数:5,168名

【出典】「本当の退職理由」調査 2024(エン・ジャパン)

現在、転職を考えられている方や、将来的に早期退職を目指されている方にとっては、シミュレーションする際の材料になるかと思います。ぜひ、最後までご覧ください!

退職時に本当の理由を伝えるか否か

まずは、会社に伝えなかった退職理由があるかどうか。

<会社に伝えなかった本当の退職理由はありますか?>
 ・はい(54%)
 ・いいえ(46%)
  ※n=4,658

<本当の退職理由を伝えなかった理由は?>
 ・話しても理解してもらえない(46%)
 ・円満退社したかった(45%)
 ・言う必要がない(33%)
 ・引き留めが面倒(19%)
 ・その他(7%)
  ※「ある」と回答した人の複数回答

ここ、ぼくは正直な印象として「はい」が8割近くあるんじゃないかなと思っていましたが、実際はほぼ半々。「いいえ」と回答した46%の皆さんは、正直に理由を話せる関係値を会社や上司と築けていると受け取れますから、素晴らしいし羨ましい話でもあります。

なお、ぺいぱの過去3回の退職は無論「はい」になります(笑)アンケートの選択肢から選ぶのは正直かなり難しい。それだけ全部の要素が自分の場合は含まれますが、一番大きかったのはやはり「円満退社したかった」になりますかね。結局は、本音を言わない人の理由ってここに集約されてくるのではないでしょうか。

よく、著名人を対象に「引き際の美学」という単語が使われることがありますが、これ会社退職時にも同じこと言えると思うんですよね。どうせ辞めるんだからゴタゴタするより、スパッと綺麗に潔く辞める方が、どちらにとっても一番良い。そういう視点もあり、ぼくは本音を言って退職している人が意外に多いことに驚いたわけです。

なお、この調査では具体的なエピソードが紹介されていますので、一部を取り上げます。

<伝えなかった理由に関する具体的なエピソード>
 ・何も変わらないと思っていたし、辞める決心がついていたため伝える意味がないと思った。(20代男性)
 ・退職以前の面談で、会社に対する不満を言ったことがあったが聞いてもらえなかったため。(20代女性)
 ・退職を伝える相手が原因だったので言いたくなかった。(20代女性)
 ・有給取得を申請したところ、理由をしつこく聞かれたり、威圧的な態度で迫られた経験があり、退職時も同様の態度を取られることに懸念があった。(30代男性)
 ・パワハラを容認している職場なので、伝えても理解されないと判断した。(30代女性)
 ・退職代行サービスを使って退職したから。(30代女性)
 ・取引先企業からスカウトされての退職であったため、企業間で問題になる恐れもあり伝えられなかった。(40代男性)
 ・会社がパワハラを認識していたが、対応していなかったため。(40代女性)

諦めている人ばっかり、という感じですね(笑)

特徴的なのは時代を反映してか「パワハラ」を理由に挙げている人が複数いること、あとは「退職代行サービス」の利用者がいることでしょうか。

ハラスメント系は人によって感じ方に差がありますし、対応が本当に難しい分野です。ぼくは管理職としてそれを防止する側にいたわけですが、「これは明らかに」というケースは1度もありませんでした。例えばあからさまに暴力を振るうとか異性に触るとかです。

ただ、そんな分かりやすい例はおそらく世の中でも稀であり、多くが「言い方・伝え方・進め方」など、ハラスメントだと思う人もいれば思わない人もいる、という非常に繊細な線引きを求められていると思います。こんな攻防を管理職は毎日にようにやっているわけですから、そりゃ病みます。もはやハラスメントハラスメント、「ハラハラ」だと思いながら、ぼくは会社員生活のラスト2年間を過ごしてきました。

なお、この数年で急上昇の話題ワードになっている「退職代行サービス」ですが、レポートではこのように取り上げられています。

<「退職代行サービス」を知っていますか?>
 ・はい(74%)
 ・いいえ(26%)

<「退職代行サービス」の利用意向を教えてください>
 ・使ったことがあり、今後も使いたい(1%)
 ・使ったことがあるが、今後使いたいと思わない(2%)
 ・使ったことはないが、今後使ってみたい(22%)
 ・使ったことがなく、今後も使ってみたいと思わない(75%)

報道で取り上げられることも増えていますから、さすがの認知度といったところでしょうか。ただし、実際に利用した人の割合は極端に低く、利用意向も高くありません。角が立たないように退職をしたい人が多い中で、「退職代行サービス」というカードの切り方はその真逆をいくわけですから、そもそもがマイノリティの存在であり続けるかもしれません。

…ま、本当にこのサービスを使ってちゃんと会社を退職できるのかどうかは正直興味があるところですが。

会社に伝えた本当の退職理由ランキング

ここからは、退職理由ランキングを取り上げていきますが、「会社に伝えた理由」と「本当の理由」の2つに分けて紹介します。

<会社に伝えた退職理由>
 1位 別の職種にチャレンジしたい(22%)
 2位 人間関係が悪い(21%)
 2位 家庭の事情(21%)
 4位 自身の病気・怪我(19%)
 5位 給与が低い(16%)
 6位 別の業界にチャレンジしたい(13%)
 7位 社風・風土が合わない(12%)
 7位 会社の将来性に不安を感じた(12%)
 9位 成長の実感がなかった(11%)
 10位 評価・人事制度に不満があった(9%)
 10位 残業・休日出勤が多かった(9%)
 12位 福利厚生他、待遇が悪い(5%)
 13位 異動・転勤の内示(4%)
 − その他(13%)

<会社に伝えなかった本当の退職理由>
 1位 人間関係が悪い(46%)
 2位 給与が低い(34%)
 3位 会社の将来性に不安を感じた(23%)
 4位 評価・人事制度に不満があった(22%)
 5位 社風・風土が合わない(21%)
 6位 残業・休日出勤が多かった(16%)
 7位 福利厚生他、待遇が悪い(15%)
 8位 成長の実感がなかった(13%)
 9位 別の職種にチャレンジしたい(6%)
 10位 自身の病気・怪我(5%)
 10位 別の業界にチャレンジしたい(5%)
 12位 家庭の事情(3%)
 13位 異動・転勤の内示(2%)
 − その他(18%)

ここで興味深いのは「人間関係が悪い」が本音でも建前でも上位だということですね。隠す人もいる一方で伝える人もいる。これは、関係の悪い人と退職者との関係性や距離感にもよるかもしれません。直属の上司とうまくいってないとなれば、退職意向を伝える際に直接言うのは憚られるからです。

ぼくの過去3回の退職における本音と建前はこの通り。

ぺいぱの退職理由

 ・2000年〜02年:ベンチャー企業(デザイナー)/20代前半
  → 【本音】社長と馬が合わない
  → 【建前】新しいことにチャレンジしたい

 ・2003年〜05年:IT企業(デザイナー)/20代後半
  → 【本音】上司と馬が合わない
  → 【建前】新しいことにチャレンジしたい

 ・2005年〜24年:IT企業(いろいろ)/20代後半〜40代中盤
  → 【本音】管理職業務に疲弊
  → 【建前】体調不良

直近の退職理由以外は、自分に近しい人が退職理由になっているので、やはり伝えていないわけです。親や上司は選べない、なんてことを言ったりしますが、まさに上司ガチャに外れた人の運命が「人間関係」に集約されているのかもしれません。

ランキング内の「家庭の事情」「自分の病気・怪我」という理由も妙味深いですね。伝えた理由の堂々上位でありながら、本当の理由ではめちゃくちゃ下位になっています。結局のところ、このカードを退職者から切られてしまうと、会社側は理由が理由なだけに引き止めようがない。本当だろうが嘘だろうが、誰も傷つかないという点で、理由としては最強のようにも思います。なぜならばぼくも20年ほど勤めた会社を辞める時に使ったカードがこれだったから(笑)

ぼくの場合は100%それが建前(ウソ)だったかといえばそうでもなくて、たしかに仕事のストレスで調子も悪かったわけです。ただ、会社を辞めなければならないほどの体調不良だったのかといえば、全然そうではないという感じですね。

これらはどちらかというとネガティブな要素を持つカードですが、伝えた理由堂々1位の「別の職種にチャレンジしたい」は万国共通で鉄板のポジティブ理由になるのではないでしょうか。ぼくも2度ほど使わせてもらいました。ただこのカードの弱点は、会社側から希望に近い役割や部署を提示される点です。早く辞めたいのに引き留めにあった人、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

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さいごに

今回は「会社の退職、本当の理由を言うか?言わないか?」をテーマに話を進めてきましたが、いかがだったでしょうか?

近年増えていると思われる「資産がある程度ある」「FIREをする」といったような理由は、アンケートの選択肢にはなかったでしょうから、この辺りは「その他」に含まれていると考えられます。

まぁ、面と向かって上司や人事に「お金あるんで辞めます」なんてことを言う必要もメリットもありませんから、統計上で浮かび上がってくることもないでしょうし、あくまで保有資産というのは今回取り上げた退職理由の副次的な要素に限られるのかもしれません。

ぼくは最後に勤めた会社では管理職をしていた期間が長かったので、自分が部下から退職を伝えられるケースは数多くありました。言われたものを思い出してみると、

管理職ぺいぱが退職希望者に言われた理由

 ・新しいチャレンジ
 ・家庭事情
 ・社風が合わない
 ・成長できない

これらが多かったですね。ただし、本音か建前かは正直分かりません。人の本音を読み取るというのは実に難しいし、こうした本音と建前がコミュニケーションに介在するからこそ、会社組織での仕事は混沌とするのでしょう。

新卒であろうが中途であろうが、会社と従業員は雇用契約でのか細い繋がりだけ。一期一会の関係です。必ずミスマッチも起こります。それを限りなく減らしてくためには、正確に退職理由を把握しておく必要があるし、本当に居てほしい人材の流失はそもそも避けなければいけません。

ここまでは退職者視点での話でしたので、おまけとして会社視点での退職者が発生することによるメリット・デメリットもまとめてみました。

<会社視点での退職者が生まれるメリット・デメリット>

■メリット
・人材採用枠が新規で生まれる
  – 新しい価値観やスキルを持つ人材を採用しやすくなる。
 - 企業文化の新陳代謝が進み、変化に強い組織を作れる。

・人件費のコントロール
  – ベテランと新人とのバランスを取り人件費を抑えることができる。
  – 給与テーブルの最適化をする機会が生まれる。

・組織の活性化
  – 新しい人材が入ることで組織に刺激が生まれる。
  – 変革を促進しやすくなる。

・生産性の向上のチャンス
  – 不満を抱えた社員が辞めることで、組織のモチベーション低下が阻止できる。
  – 純減でも業務が回るよう、各種効率化につなげられる。

■デメリット
・ノウハウの流出
  – 社内の技術や知識が外部に流出するリスクがある。
  – 空いた枠を埋めるまでの期間が負担となる。

・採用や育成コストの増加
  – 穴を埋めるために採用活動のコストが増加する。
  – 新しい人材を育成するための教育コストや時間がかかる。

・士気の低下
  – 残った社員のモチベーション低下や不安感が増す。
  – 連鎖退職につながる可能性がある。

・業務の混乱
  – 残った社員に業務負担が増える。
  – プロジェクトが停滞したり、事業推進が遅れるリスクもある。

・企業ブランドへの悪影響
  – 退職率が高い会社は、ブラック企業と疑われやすくなる。
  – ネガティブな口コミが広がると、優秀な人材の確保が難しくなる。

かなり無理やり上げた部分もありますが、そこまで大きく外してもいないのではとも思います。優秀人材が1箇所に固定されてしまうと、世の中で新しい産業が起こりにくくなるでしょうし、一定の流動性を持っておかないと、急激な環境変化についていけない可能性もあります。ここは、労働者視点で見るか、経営者視点で見るかで、考え方や判断のあり方が変わってくる部分ですね。

今回のテーマである「退職理由のあれこれ」、結局のところ本音が見えない人間コミュニケーションの本質が凝縮されているなと、個人的には思いました。この意識疎通の煩わしさ、なんとかならんものでしょうか(笑)人類全体がニュータイプにならないとダメでしょうかね。

そんなわけで皆さんは今回の話、どう受け止められたでしょうか?実際に退職を経験されている方も多いと思います。ぜひ経験談や成功・失敗談、ご感想などをコメントでお寄せいただけると嬉しいです。

最後の最後にサブチャンネルのお知らせ!1年ほど前から「ぺいぱのひとりごと」という番組をやっていまして、原則、平日の朝7時からライブ配信しています。お金や仕事の話題を中心に、直近の出来事でぺいぱが興味のあるものを取り上げ、好き放題喋り倒すラジオみたいな内容です。通勤・通学のお供に最適だと思いますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

退職理由には、人間の不自由さや不器用さが凝縮されている。

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