・納税額は11億円!?
・総額は1120BTC
・マイニング実績はゼロ
おはーん、ペーパー先生です。
今日は久しぶりに暗号資産に関する
話題を3つピックアップして紹介していきます。
このブログの内容はラジオでも解説しています。
納税額は11億円!?
2017年後半からの暗号資産バブル時、
相当な含み益を得たというお笑いコンビ、平成ノブシコブシの吉村崇(よしむら・たかし)さん。
その後のバブル崩壊を引き金に、売買による税金に苦しめられている現状を、
テレビ番組で語ったことが話題となっています。
「ビットコイン:3万円、イーサリアム:300円、リップル:0.3円の時代の話です。リップルのピークが300円くらいになって、そのときは数百万円がとんでもない額になりました。その時はウハウハ。それから違う通貨を切り崩して買ったんですね、そしたら大暴落しました。後から(最初のコインでの膨大利益には)税金がかかりますよとなって、私は今、その税金を払ってます。一瞬は、数字的には儲かりましたが、現金はないんで……」
【出典】ノブコブ吉村 仮想通貨で大儲けも税金で生活苦…専門家が納税地獄の回避法を指南(女性自身)
最終更新日:2021/10/28 23:08
記事の中では専門家が推定額を、
「リップルが0.3円の時代に購入し、ピーク時の300円でドンでもない額になった」
という吉村さんのコメントから、
売却益が推定およそ20億〜30億円
納税額は推定およそ11億〜16億5,000万円
このように算出しています。
暗号資産同士の売買にも税金が発生しますから、取引する際は気を付けたいものです。
雑所得に分類される現在ですが、金融商品の税制に比べるとだいぶ不利。
他の所得と合計して税が課せられる、総合課税であることがその理由の1つになっています。
例えば株式。税率は所得税15%住民税5%、これに復興特別所得税が0.315%加わり、
計20.315%ですが、この税率は一律で、どれだけ利益を得ても総合課税のように、
利益に応じて税率が増えるようなことがありません。
暗号資産と同じ雑所得のFX(外国為替証拠金取引)で得た利益も
特例として所得税・住民税合わせて20%の分離課税とされています。
上記の税制の点からも、暗号資産は売買せずに保有し続けることのできる量を
持ち続けるというのが良いですね。
総額は1120BTC
9月7日、中米エルサルバドルでビットコインが
世界で初めて法定通貨として導入されました。
しかし、記念すべきこの日の価格は同日の最高値と比べ、
下落幅がおよそ18%に達するなど乱高下。
相変わらずのボラティリティの高さを示しました。
しかしエルサルバドルのブケレ大統領は留まることを知りません。
エルサルバドルのブケレ大統領は、最近のビットコイン(BTC)価格の下落を利用し、新たに420BTCを追加購入したとツイートした。「長いこと待っていたが、それだけの価値はあった」と、ブケレ大統領はツイートしている。さらに「購入したばかりのビットコインから既に利益を上げている」ともブケレ氏はツイートしている。
【出典】エルサルバドル、ビットコインを420BTC追加購入(コインテレグラフジャパン)
2021年10月28日
エルサルバドルが保有するビットコインの総額は1120BTCで、
評価額はおよそ8740万ドル。推定平均購入価格は5万3300ドルです。
つまり現在のところ含み益が出ている状態となっています。
では、通貨としては浸透しているのかと言えば答えはNo。
政府がつくった専用アプリ「チボ」は、人口640万人ほどの国で
すでに300万人以上がダウンロードしたとされています。
その一方で、使い方が浸透しておらず、地元紙は
“消費者の87%がBTCで支払ったことがないと回答”したと報じました。
このような課題もあるものの、ブラジルでも法定通貨化に向けた動きが出てくるなど、
金融インフラが整わない後進国では今後も法定通貨採用への模索が続きます。
マイニング実績はゼロ
中国が暗号資産を全面的に締め出した9月以降、
相場急落を吸収しながら、すでにビットコインは上昇に向けて力強さが戻ってきています。
中国の影響が排除された暗号資産相場はどこに向かうのか。
日経電子版の記事にヒントがありそうです。
9月下旬に中国政府が仮想通貨の決済や関連サービスを全面禁止すると発表し、ビットコイン相場は一時急落したが、2週間足らずで元の水準に戻り最高値を更新した。インフレヘッジ先としてビットコインには世界の投資マネーが流れ込んでおり「中国ショック」は急速に過去のものになりつつある。
【出典】中国退場、変わるビットコインの競争環境(日経電子版)
米国では規制で「市場育成」の方向
2021年10月29日 5:00 [有料会員限定]
・中国政府は2017年に同国の3大仮想通貨交換事業者の取引を閉鎖。21年5月にはビットコインの取引情報を保証するマイニング(採掘)を全面禁止。今回の取引禁止はその最終局面。
・権威主義的な統治を強める中国政府にとり、通貨主権を揺るがしかねない無国籍通貨ビットコインとの共存共栄はそもそも不可能。
・マイニングでは8月に米国のシェアが35.4%と首位に躍り出て、中国がマイニングを禁止する前の5月からシェアが2倍に急伸。中国本土のマイニング実績はゼロに。
・「暗号資産関連の技術・サービスは自由主義陣営の支配下に置かれ、『西側』の経済ルールに従う資産として技術革新が進む」と麗沢大学の中島真志(なかじま・まさし)教授。
・米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は9月末に「米国は暗号資産を禁止する意図は全くない」と発言。
・米金融大手バンク・オブ・アメリカは「デジタル資産の世界は無視するには大きすぎる。(ビットコイン)懐疑論者が想定するよりも多くの成長機会がある」とのリポートをまとめる。
・米SECが10月に入って、ビットコイン業界が長年求めてきたETF解禁に限定的とはいえゴーサインを出した。
ここから2つの点が読み取れます。
1つは、「敵の敵は味方」。
元々、自国通貨を脅かしかねない暗号資産に対し、FRBや金融機関は否定的でした。
前回バブルの2017年から2021年で大きく変わったことと言えば、
覇権国を目指す中国の台頭があります。
その中国とあらゆる面で対抗姿勢を取るアメリカにとって、
自国都合とは言え、成長著しい暗号資産市場から中国が完全撤退したわけです。
この好機をうまく活かしたい。たとえそれが諸刃の剣でも。
そう言った事情です。
2つ目はいまや個人投資家だけでなく機関投資家でさえも、
暗号資産、特にビットコインの「持たざるリスク」にさらされている、ということです。
未知数なことも多いが、ポートフォリオに少しでも入れておかなければ、
競合との運用成績で見劣りしてしまう可能性がある。
そうした切迫感から資金流入が続いていると言えます。
さいごに
今日は「納税額は11億円!?」「総額は1120BTC」「マイニング実績はゼロ」という
3つのニュースを紹介してきました。
いずれも歴史の浅いアセットクラスならではのテーマですね。
以前にも紹介したマネックスグループCEOの松本大(まつもと・おおき)氏が、
ポートフォリオに暗号資産をどう組み込むべきかについて語った動画インタビュー。
【出典】暗号資産は買って蓋をしろ!これからビットコインを買う人へ(コネクTV)
2021/10/09
自身でもビットコインを保有しているという松本氏、
一度購入したら、売買をせずに20年ぐらい蓋をしておくのが良い、
という話をされているのですが、税制の話にも及んでいます。
「僕も持ってるんですけど。ビットコインはそれなりに。もう売る気なんかないですよね。2つ。出口は。10年とか経って税率が普通の金融商品みたいになった時に初めて売るか、あるいは寄付。できるか分かんないけど、国と話しをつけて、国が必要とする研究とか医療とか、推進しようとする事業とかに、国が税金を取らないんだったら寄付しますという交渉をいつかしてみたいんですよね。」
このぐらいの視座や期間を意識して取り組む投資先だなと、改めて思いますね。
では、ごきげんよう。
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うごめく思惑。動意づく暗号資産。