・名著『バビロンの大富豪』からみる貯蓄率
・総務省『家計調査』からみる貯蓄率
・平均年収世帯からみる貯蓄率
おはーん、ペーパー先生です。
最近、貯蓄率について話をするケースが増えてきました。
年間平均7割の貯蓄率を目標に据えていることもあり、自身が意識をしているからです。
「貯蓄額÷可処分所得(手取り収入)×100」
貯める、守る、増やす、というお金の増やし方のノウハウについてまとめた名著『バビロンの大富豪』。
1926年にアメリカで出版されたもので、長く読み継がれている資産形成におけるバイブルです。
この書籍では、金銭的成功を手に入れるために1割を貯蓄に回すことが推奨されています。
サラリーマンの生涯年収はおよそ2億円ですから、
その10分の1を貯蓄に回していけば2,000万円になり、
これに年金が加われば将来の備えには十分になるといった考え方です。
では、ここからは少し違う観点から現代の貯蓄率のいまを見ていきましょう。
総務省の2020年の『家計調査』(2021年2月公表)では、
二人以上世帯のうち勤労者世帯の家計収支における貯蓄率の全体平均は35.2%。
年代別では以下のようになっています。
<年代別>
20代:40.8%
30代:40.4%
40代:36.1%
50代:34.2%
60代:28.4%
70代:33.8%
【出典】年代別に確認! 平均貯蓄率はどれくらい? 「貯め時」はいつ?(マイナビニュース)
2021/05/16 21:20
当たり前ですが、単身者は高めの貯蓄率となり、
子育て世代になると教育費負担増により数値が下がり、
定年後は再度仕事に就いたり年金受給が始まるため少し改善する。
一言で表すとそんな感じでしょうか。
つまり、3割の貯蓄率は一般水準。5割を超えると合格水準。
こうした基準が見えてきますね。
続いては、同じ年収レンジにおける貯蓄率の振れ幅はどの程度なのかを見ていこうと思います。
厚生労働省の『賃金構造基本統計調査(令和2年)』での平均年収は459万8000円。
就業地や年齢、扶養人数などにより数字が変わりますので概算ですが、
手取りで25万前後といったところでしょうか。
ビジネスメディア運営のビズヒッツが、手取り25万円で生活する426人へのアンケート結果を公表しています。
ここから紹介をしていきましょう。
<調査概要>
調査対象:手取り25万円の人
調査日:2021年7月2日~17日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:426人(男性260人/女性166人)
<回答者の属性>
10代…0.5%
20代…30.0%
30代…38.7%
40代…22.3%
50代…5.9%
60代…2.6%
<毎月の貯金額は?>
0円(0%)…56人
~5千円(2%)…20人
~1万円(4%)…62人
~2万円(8%)…106人
~3万円(12%)…80人
~5万円(20%)…72人
~10万円(40%)…25人
11万円~(44%)…5人
※カッコ内は記載金額での貯蓄率
【出典】手取り25万円できついと思うことランキング:男女426人アンケート調査(ビズヒッツ)
2021.07.28 更新
年齢別で40%以上の貯蓄率となっていた『家計調査』での傾向とはまったく違い、
日々の生活費を賄うのに精一杯な状況であることが見て取れますね。
調査対象の家族構成は分かりませんが、2、30代が中心ということですから、
平均とされる年収の単身世帯では、貯蓄額が伸び悩んでいることが伺えます。
冒頭に触れたように、『バビロンの大富豪』では1割の貯蓄率が推奨されており、
やはり一般的にはこの基準が絶対にキープしたい最低水準であると言えそうです。
今日は貯蓄率を色々な角度から見てきました。
皆さんのご家庭での貯蓄率はどのぐらいでしょうか?
なお、手計算が面倒くさい方はこちらの「貯蓄率計算」サイトが便利です。
手取り収入と貯蓄額を入力するだけで貯蓄率を計算してくれます。
では、ごきげんよう。
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