ごきげんよう!ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。
https://youtu.be/PTO5uRQubKQ

米国の大手運用会社フィデリティが、顧客の口座の運用成績を調べたところ、最も良い結果を出していたのは「亡くなっている人」だった。そんな逸話、有名ですね。

もちろん、実際に亡くなれば相続の手続きが始まり、口座はいずれ動かされます。なので、これはあくまで比喩です。

株価は短期的には上がったり下がったりしますが、長い目で見れば右肩上がりで成長してきました。だから、売らずに持ち続ける人が理屈のうえではいちばん強い。この逸話は、長く持ち続けることの大切さを、少し極端な形で表しているわけです。

長期投資の難しさを示す例としてよくSNSで目にしますが、この話が長く語り継がれているのは、多くの人が「そうかもしれない」と感じるからだと思います。投資で最も強いのは「何もしないこと」であると。

この言葉、パッと聞くとよく分からないですよね。何もしないなら簡単そうじゃないですか。でも投資を続けている人ほど、これが真理だと感じるはずです。

ぼく自身、株式投資を始めたのは20年以上前の2004年です。ただ、最初の4年間は日本の個別株をデイトレして100万円を失いました。

一方で、2017年に海外個別株で投資に復帰したのち、2021年からほったらかしで続けてきたオルカンは、2024年10月に5,700万円を超えるまでに育ちました。

今回は、動いて失敗した過去と、動かずに続けている今との違いから、「なぜ何もしないことが一番難しいのか」を考えてみたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いください!

売りたくても売れなかったイーサリアム

先日、ダイヤモンド・オンラインにこのような記事がありました。

実業家の堀江貴文さんの著書『やってはいけない 絶対損する金の使い方』(徳間書店)から、抜粋・編集された内容です。

記事の主張をひとことで言うと、「個人投資家は、インデックスファンドを自動で積み立てて、あとは放っておくのがいちばん良い」というものです。

この主張の裏付けとして紹介されているのが、堀江さんご自身の体験談です。

堀江さんは2014年、約1万5,000円分のイーサリアムを買ったそうで、2017年末のバブルにより評価額は約3,000万円になりました。

ところが売ろうとしたら、ある不具合で秘密鍵が使えず売れなかった。そのまま放置するしかなく、2024年には約2億5,000万円に。今年3月に専門業者が秘密鍵を復旧し、約2億円が動かせる状態に戻ったそうです。

堀江さん自身も「秘密鍵が使えていたら3,000万円の時点で売っていた」と認めています。売れなかったからこそ、長く持ち続けられたわけです。

ちなみに、売れるようになった今はさっそく売り時を考え始めているそう。「売れる状態になると人は動きたくなる」。この記事の主張を、ご本人がいちばん分かりやすく証明しているのが個人的に面白いと感じました。

ただし、ここでは注意が必要です。ひとつの暗号資産が何万倍にもなるのは、かなり例外的な結果だからです。価値がほとんどなくなったものもたくさんあります。

この話から受け取るべきなのは、「暗号資産を放置すれば増える」ではありません。「感情で売らなければ、長期保有の力が働く」というところです。

なぜ「何もしない」が難しいのか

投資をしていると、上がれば利益を確定したくなるし、下がれば怖くなって売りたくなる。その結果、暴落で売って損を確定させ、そのあとの回復を取り逃してしまう。

さらに先ほどの記事の中では、「中途半端な知識がいちばん危ない」とも触れられています。少し勉強すると自信がついて、「二番底が来るからいったん売っておこう」などと判断してしまう。でも、底がいつ来るかは誰にも分かりません。

インデックス投資は、同じ商品を同じ期間持っていれば、ベテランでも初心者でも成績は同じです。プロが運用するアクティブファンドでさえ、米国株式では10年で約98%、15年で約95%がS&P500に負けているとあります。

つまり、知識を増やしてもそれだけで成績は上がらない。むしろ、色々な好奇心が掻き立てられて、売買のきっかけが増えてしまうというわけです。

ぼくは以前に「インデックス投資で成功するために必要な7つのこと」という回をお届けしたことがありました。オルカンほったらかし投資を始めてから2年以上経過した頃にまとめたものです。


インデックス投資で成功するために必要な7つのこと
インデックス投資で成功するために必要な7つのこと:成果を最大限引き出すための行動を大紹介今回は特に投資初心者の方々に見ていただきたい「インデックス投資で成功するために必要な7つのこと」についてまとめました。すべてぼくの実体験からです。この7つをどれだけ抑えられるかで成績がかなり変わるんじゃないかなと思います。ぜひお楽しみください!...

そこではこんなことを言っているんですね。

<インデックス投資で成功するために必要な7つのこと>
 ① 一喜一憂しない
 ② 入金力を維持向上する
 ③ 余計な情報は耳に入れない
 ④ コア商品に自信を持つ
 ⑤ 立てた目的をぶらさない
 ⑥ 志を共にできる仲間を作る
 ⑦ まずは運用を始める

この回では、「長期運用」とはどのくらいの期間なのかにも触れていました。

明確な定義はありませんが、インデックスファンドの運用成績がおおむねプラスに振れると言われる15年、あるいは旧つみたてNISAの非課税期間だった20年。このくらいを長期と考えてよいのではないか、という話です。

30歳で始めれば、15年後は45歳。ちょうど、セカンドキャリアを考え始めるころです。

インデックス投資は、その日その日の値動きが勝負ではありません。続けたその先がスタートラインです。積立を始めることや、一括で買って寝かせることは、そのスタートラインに万全の状態で立つための準備運動にすぎない。

今のうちに決められることを決めておけば、あとは目の前の生活に集中できる。そんな風にこの回を締めくくっていました。

いま改めて見ても、これらの考えは変わっていません。インデックスをほったらかしにするだけのことで、これだけ項目を挙げられるというのは、ある意味でそれだけ「何もしない」が難しいからという裏返しでもあります。

ぺいぱの失敗期(2004〜2007年)

ぼくが株式投資を始めたのは2004年。年齢でいうと、20代前半のころです。

やっていたのは、日本の個別株のデイトレードやスイングトレードばかりでした。数日から数週間で買っては売る。その繰り返しです。

仕事中も株価が気になっていたし、掲示板などでおすすめ銘柄を探していたりもしました。東証が開く9時前から閉まる15時までは、ずっと落ち着かなかった思い出があります。トイレの個室や非常階段で株の売買注文を出していたこともありました。

そんなエピソードでも見えてくる通り、当時のぼくは「動いていること=投資をしていること」だと思っていました。チャートを見て、ニュースを追いかけて、売買をする。それが努力であり、その先に成果があるのだと。

結果は、4年間で100万円の損失です。2007年にぼくは株式投資から撤退しました。

ちなみに2004~2007年というのは、日本株全体で見れば2003年の底から2007年にかけて、株価が大きく上昇した時期でした。それでも損失を出した。相場が悪かったのではなく、ぼくの動き方が悪かったんですよね。

動いて失敗することの本当の損は、100万円だけではありません。

撤退したあと、ぼくは10年ほど投資から遠ざかりました。「株は怖いもの」「自分には向いていない」「預金が最適解」。そう思い込んでしまったからです。

でも、2010年代に入り世界の株式市場は大きく成長しています。もし、この期間に全世界株式を持ち続けていたら。そう考えると、取り逃したものは100万円よりずっと大きいはずです。

動いて失敗すると、お金だけでなく市場にいる時間まで失ってしまう。長期投資でいちばん大事なのは時間なので、この損はかなり大きい。「市場に居続けること」も、「何もしない」の大事な中身の1つだと思います。

ぺいぱのオルカン期(2021年〜)

オルカン投資を始めたのは2021年6月です。

恥ずかしながら、2020年までインデックスファンドの存在を知らなかったんですね。コロナ禍でのおうち時間をきっかけにいろいろなYouTubeやブログ、書籍などを通じて存在を知り、保有資産を集約することにしたわけです。

当時、2,500万円分のオルカンを一括投資し、その翌月から2年半ほど毎月30万円積立。結果、2024年10月に5,700万円を超えるほどに成長しました。

その後は、ローン返済や早期退職後の生活費として一部を取り崩していますが、相場を見て売ったことは一度もありません。

同じ株式投資でも、動き回った時期と何もしなかった時期で、結果がまったく違います。もちろん、これは一定期間を切り抜いた話であり、将来を保証するものではありません。

2022年のように下落基調が続いた年もありました。昔のぼくなら、たぶんここで売っていたと思います。結果を分けたのは、銘柄の選び方よりも「動かなかったこと」。

そしてそれができたのは、過去の個別株での失敗、そして2020年3月のコロナショックを無の境地で何もせず乗り越えたこと。こういう経験だったと、ぼくは思っています。

日常にもある「何もしないことの難しさ」

この「何もしないことが一番難しい」は、実は投資だけの話ではありません。日常にも、似た場面がたくさんあります。例えばこんなことですね。

🚗 渋滞での車線変更
隣の車線が速く見えて移ると、今度は元の車線が進み出す。そんな経験、ありますよね。何度も車線を変えても、到着時間はほとんど変わらず、疲れと事故のリスクだけが増えてしまう。スーパーのレジの列も同じです。隣の列が速く見えて乗り換えたら、今度は自分の列だけ止まってしまう。これは、まさに短期の売買とそっくりです。

⚽️ サッカーのPKのゴールキーパー
イスラエルの研究者たちが、トップレベルの試合のPK286本を分析しました。キーパーが止めた割合は、真ん中に留まったときが33.3%で、左右に飛んだときの倍以上。それでも、93.7%のPKで、キーパーは左右どちらかに飛んでいました。点を決められても「やるだけやった」と言えるからだと考えられています。この心理を「アクション・バイアス」と呼ぶそうです。
【出典】Don’t jump! Advice for goalkeepers from economic psychology(The British Psychological Society)

🍚 ご飯を炊くとき
昔から「赤子泣いても蓋取るな」と言いますよね。炊けているか気になって蓋を開けると、中の熱と蒸気が逃げて、かえってうまく炊けない。ステーキも同じで、焼き色が気になって何度もひっくり返すより、じっと待つほうがおいしく焼き上がると言われます。気になっても手を出さない。これも、相場との付き合い方に通じます。

「動くこと」が「努力している」「コントロールしている」と感じられる。逆に、何もしないと、怠けているように感じて不安になる。でも本当は、何もしないこと自体が「今は動かない」と判断し続ける立派な選択なんですよね。

何もしないための仕組み

先ほどの「7つのこと」は、振り返るとほとんどが心構えでした。でも、心構えは相場が荒れたときほど揺らぎます。だからこそ意志に頼らず、仕組みで自分の規律を守ることが重要だと思います。

 ・自動積立にする:
  買うタイミングを自分で判断しない。

 ・見る回数を減らす:
  アプリ通知を切って相場を意識しない。

 ・シンプルな商品を選ぶ:
  広く分散されている指数を手に取る。

ぼくは「シンプルなものほど長続きする」と思っています。投資も同じで、やることが少ないほど続けやすいんですよね。

ただし「何もしない」には前提があります。それは分散されたインデックスファンドであること。特定の個別株や暗号資産を放っておくのは、まったく別のリスクを抱えます。

そして、投じている原資が当面使わないお金であること。生活防衛資金は別に確保しておくということです。そうでないと、暴落のときに売らざるを得なくなります。

もちろん、完全に放置せず、収入や家族状況などが変わったときは配分を見直すことがあってもいいでしょう。年1回くらいは点検をする。「何もしない」は「何も考えない」とは違います。

さいごに

前回の動画では、歴史的な大暴落が来たら、ぼくの純資産は最悪3,400万円ほど減るかもしれない、という試算をしました。


歴史的な大暴落が来たときに、1億円の純資産がどれだけ減る可能性があるのかをイメージしておくことが大事な理由。
歴史的な大暴落が来たときに、1億円の純資産がどれだけ減る可能性があるのかをイメージしておくことが大事な理由。今回は、過去の株式市場の大暴落を参考に、いざそんなシチュエーションに巻き込まれた場合、自分の資産がどのぐらい減少し得るのかを試算してみようと思います。...

では、そのとき、ぼくは何をするのか。答えはやはり「何もしない」です。

前回、減る額を先にイメージしておくことが大事だとお話ししたのは、まさにこのためです。先に覚悟しておけば、そのときに慌てて動かずにすむ。

もちろん、運用しているものに手をつけないというだけで、支出を見直すなど家計の守りを固めていくのはいいことだと思います。

こういうことをシミュレーションしておくことも、自分の規律を守る仕組みのひとつだと思います。

2004年のぼくは、動くことで成果を出そうとしました。2021年以降のぼくは、動かないことを選び続けています。その差が今の結果に表れている。

「何もしないことが一番難しい」。少し逆説的な言葉ですが、これを実感できたことが、100万円の損失から得た、いちばん大きな学びだったのかもしれません。

皆さんは、つい動いてしまった経験、ありますか? よかったらコメントで教えてください。

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ということで、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

意志に頼らず、仕組みで守る。