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日曜劇場『半沢直樹』第一部:スパイラル編 やわらかレビュー

日曜劇場『半沢直樹』第一部:スパイラル編 やわらかレビュー
こんな方に見てもらいたい。

・カタルシスを感じたい方。
・歌舞伎が好きな方。
・執務室に憧れてる方。

おはーん、ペーパー先生です。

当初4月放送開始だった日曜劇場『半沢直樹』新シリーズ。

新型コロナウイルス感染症での撮影遅延により、およそ3ヶ月遅れで7月19日(日)からスタートしました。

今作から新キャストとして市川猿之助さんや尾上松也さんといった歌舞伎俳優が加わり、ドラマと歌舞伎が強力に組み合わさった新しいエンタテインメント、という印象を強く受ける作品に仕上がっています。

実は、主演の堺雅人さんが今年3月にこんなことを言われていました。

まさにこの通りになりましたね。

『半沢直樹』新シリーズは第1話から第4話までがスパイラルの買収を描いた第一部、第6話から第10話までが帝国航空の再建を描いた第二部となっています。

今回は第一部スパイラル編を、なるべくネタバレせずに、やわらかくレビューします!

あらすじ:
東京中央銀行のバンカーとして活躍していた半沢直樹(堺雅人)。しかし、大和田常務(香川照之)の不正を暴き糾弾したことが原因となり、中野渡頭取(北大路欣也)から、子会社である東京セントラル証券へとまさかの出向を命じられてしまう。
そんなある日、東京セントラル証券に大型買収案件が舞い込む。プロパー社員・森山雅弘(賀来賢人)が担当する大手IT企業「電脳雑伎集団」が、瀬名洋介(尾上松也)率いるIT業界の雄「東京スパイラル」を買収したいと申し出て来たのだ。買収における株式取得にかかる費用はおよそ1500億円以上。東京セントラル証券にとって、かつてない規模の案件だった。
飛ばされた半沢は銀行に下剋上なるか!? 不屈のバンカー半沢の新たな戦いが今、始まる!

【出典:日曜劇場『半沢直樹』公式サイト

証券会社が舞台

2013年に放送された前作は、半沢少年の両親が経営していた工場の経営が傾いた際、旧産業中央銀行に融資を引き揚げられ、追い詰められた父親が自殺したという過去が、作品全編の根底にあり続けました。

この当時の担当者であった大和田常務(当時)の不正を暴いたことで、これまで半沢さんを突き動かしていたバンカーとしての一つの区切りがついたわけです。

新シリーズでは、職場も同僚も一新され、まさにリスタート。

どのようなテーマで話を突き進めていくのか楽しみにしていました。

半沢部長が同僚の森山さんに対して言ったセリフに「大事なのは感謝と恩返しだ。」というのがあります。

第一部と第二部では、半沢の立場も仕事も大きく変わりますが、一貫して半沢部長は「仕事をする姿勢」の考え方を伝え続けます。

これこそが新シリーズの根底に流れるものなんだろうと思います。

また、新しい職場でも半沢部長の「部下を知るマネジメント」が良く効いています。

伊佐山部長しかもっていない電脳・東京中央銀行連合のスパイラル買収計画資料。

その資料の写しを手に入れるキーマンとなったのが、皆を裏切って本部証券営業部 総務グループに配属となった三木さんでした。

彼が、コピー取りやお茶くみなどの雑務ばかり押し付けられている様子を目の当たりにした半沢部長が、

「こんなお茶くみをさせるために三木を銀行に戻したんですか? 三木は雑用や事務作業は苦手かもしれませんが、客の懐に飛び込む対人スキルはなかなかのものです。営業でもそれなりの仕事ができるでしょう。せっかくうちから引き抜いたんなら、ちゃんと使ってやってくれませんか。」

と伊佐山部長に進言します。

このように人材の短所と長所を的確に見抜き、適材適所で動かしていく半沢部長のマネジメントは本作でも光ります。

その一方で、めっちゃ密に繁盛してる居酒屋で、買収案件の資料を見ながら意見交換をしちゃう半沢部長と森山さん!

機密情報の取り扱いどうなってるんだ!笑

これは黒崎検査官におしおきされても仕方ないす。

登場企業の個性

今回、舞台となる企業は「電脳雑伎集団」と「スパイラル」。

スパイラルは瀬名社長と加納氏、清田氏の3人が6年前に立ち上げた新興IT企業。

検索エンジン「スパイラル」を開発・運用しており、スペシャルスピンオフドラマ『半沢直樹II・エピソードゼロ〜狙われた半沢直樹のパスワード〜』で、占いサイトが登場していることから、いわゆるポータルサイトが主な収益源になっていると思われます。

原作が2010年から11年の連載作品ですので、かなりビジネスモデルとしては古い印象がありますが、まだビジネスの実態がハッキリしているだけいいです。

気になるのは電脳雑伎集団。

平山社長が35歳で総合商社を退社した後、妻・美幸副社長と創業した大手IT企業。

日本では3位、世界でトップ20に入り、アジア進出を視野に事業拡大を目論んでいることが劇中で語られています。

以上!

なんですよね。

なんかビジュアルとか雰囲気からは中国系のテックベンチャーな感じもするんですが、普通に日系企業。

IT企業と謳っている割には、何を手がけているのかが全くよく分かりません。

ただ一つ言えるのは、社長室がめっちゃかっこいいこと笑

これまでの『半沢直樹』では、執務室といえば主に東京中央銀行内が多かったですから、伝統的で格調高い什器で構成された空間が中心でした。

一方の電脳雑伎集団の執務室は、黒をベースとした無機質な作りに、側面はめちゃくちゃ展望の良い全面ガラス張りの窓。

「敵の本丸ですよー」

と言わんばかりのストレートな作りに先生はしびれました。

第一部の名場面

なんといっても大和田取締役との共闘。

これに尽きるのではないでしょうか。

駐車場での半沢部長と大和田取締役との直接対決。

見応えありましたね。

「その代わり、やったらお前の倍返しは決まるんだろうなぁー!ちゃんとぉー!」

巨悪に立ち向かっていくために、今まで敵だった人物が味方になっていく。

これは新シリーズ一番の魅力であり、視聴者がカタルシスを感じている部分でもあります。

駐車場シーンは、そのきっかけを作ったターニングポイントとなりました。

ということで、最後は半沢部長が、その駐車場に向かう直前、森山さんに伝えた信念を書いて終えたいと思います。

半沢直樹の信念

・正しいことを正しいと言えること。
・組織の常識と世間の常識が一致していること。
・ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価されること。

当たり前だけど、奥が深い。

さぁーさぁーさぁーさぁー!本日21時からいよいよ最終回!

そして翌日6時に第二部:帝国航空編やわらかレビューを公開!

では、ごきげんよう。

題名 日曜劇場『半沢直樹』
原作 池井戸潤『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』
脚本 丑尾健太郎ほか
演出 福澤克雄、田中健太、松木彩
出演 堺雅人、及川光博、香川照之ほか
音楽 服部隆之
ナレーター 山根基世
プロデューサー 伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
製作著作 TBS
放送地域 日本
放送期間 2020年7月19日 – 9月27日
放送時間 日曜 21:00 – 21:54
放送分数 54分
放送回数 10

今日のまとめ

執務室に自社のロゴって必要?

  

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