歴史的な大暴落が来たときに、1億円の純資産がどれだけ減る可能性があるのかをイメージしておくことが大事な理由。
・過去の株価ショックはどれくらい下がったのか
・資産の減り方を段階的に試算していく
・各種シナリオから見えてくること
・大幅下落に備える心構えとは
ごきげんよう、ぺいぱです。
このブログの内容は動画でも解説しています。
先日、日経電子版でこんな記事がありました。
米国では、原油高や長期金利の上昇といった逆風があっても消費がそこまで落ちていませんが、その理由として注目されているのが「資産効果」。株価が上がった分の利益が、消費に回っているという話です。
JPモルガンの調査では、投資口座から預金口座へお金を移す人の割合が、2015年の2.4%から2026年には8.2%に。支出全体のうち投資口座から引き出したお金で賄った割合も6.8%に達しているとのこと。
記事ではこの構造の危うさを指摘しています。アトランタ連銀の試算では、株価が25%下がると消費が3%程度落ちる可能性があるそう。株高が消費を支えているぶん、株価が下がれば消費も一緒に落ち込みかねないということですね。
我々も他人事ではありません。日本の家計の金融資産に占める株式・投信の比率も、徐々に上がってきています。米国ほどではないにしても、構造としては似ている部分もあるわけです。
ぼくもオルカンをはじめ、株価と連動しやすい資産を持っています。そこで、記事にあった「株価25%下落」を、自身の資産にあてはめたらどうなるのかを考えてみることにします。
とはいえ、25%という下落幅は過去の歴史的な株価ショックと比べると、少し控えめかもしれません。そこで今回は、過去の大暴落を参考により厳しめの前提で試算してみようと思いますので、ぜひ最後までお楽しみください!
過去の株価ショックはどれくらい下がったのか
ダイヤモンド・オンラインがまとめた「これまでの日米株価ショック一覧」から、NYダウの主なものを抜き出しました。下落率は直前の高値比。全値戻しは、安値から下落前の高値を取り戻すまでの期間となっています。
<株価ショックの主なもの(NYダウ)>
・世界恐慌(1929年10月):
▲89%/全値戻しまで約22年半(1,169週)
・オイルショック(1973年10月):
▲45%/約7年9カ月(402週)
・ブラックマンデー(1987年10月):
▲35%/約1年9カ月(93週)
・ITバブル崩壊(2000年4月):
▲36%/約4年(210週)
・リーマンショック(2008年9月):
▲53%/約4年(210週)
・コロナショック(2020年3月):
▲35%/約8カ月(35週)
【出典】【歴史的暴落】いつ来てもおかしくない事態に備えよ!ショック安の共通項と急回復のカギは?(ダイヤモンド・オンライン)
こうやって並べると世界恐慌ってえげつないなと思うわけですが、これを外した場合の下落幅は▲35%から▲53%。なかでもブラックマンデー、ITバブル崩壊、コロナショックは、揃って▲35〜36%でした。
市場の混乱を抑える仕組みがいろいろと整っている現代でもあるので恐慌級は外し、今回はブラックマンデーやコロナショックなどに合わせた「▲35%」を、オルカンの参照指数であるACWI(全世界株式)の下落率として置いてみます。
あくまで素人がざっくり考えてみる下落幅です。実際のオルカンはダウと同じ値動きをするわけではありませんが、このぐらいは念頭に入れておく方がいいよねという目安としての数字とお考えください。
資産の減り方を段階的に試算していく
現時点でのぺいぱの純資産はこの通りです。不動産評価額についてはAI査定サービス「ハウマ」「イエシル」での算出価格平均を取っていますので、あくまで目安です。
<純資産>
オルカン:4,229万円
不動産 :5,120万円
暗号資産:1,355万円
法定通貨:292万円
—————————
合計:1億996万円
※2026年10月19日時点
※数字は四捨五入、税引き前
では試算をしていきましょう!
為替はそのままで、オルカンの参照指数ACWIが▲35%になった場合です。
<純資産のシナリオA>
オルカン:4,229万円 → 2,749万円(▲1,480万円)
不動産 :5,120万円(変動なし)
暗号資産:1,355万円(変動なし)
法定通貨:292万円(変動なし)
—————————
合計:9,516万円(▲13.5%、▲1,480万円)
オルカンは▲35%でも、全体では▲13.5%。不動産がポートフォリオの約47%を占めているぶん、全体の減少はそこまで拡大していきません。
次に、円高が重なった場合です。1ドル158円から130円へ、17.7%の円高になったとします。
<純資産のシナリオB>
オルカン:4,229万円 → 2,262万円(▲1,967万円)
不動産 :5,120万円(変動なし)
暗号資産:1,355万円(変動なし)
法定通貨:292万円(変動なし)
—————————
合計:9,029万円(▲17.9%、▲1,967万円)
円高だけで約487万円、さらに資産が減る計算です。オルカン単体で見ると実に▲45%を超える下落になります。外貨建て資産を多く保有する個人投資家にとって、最悪のシナリオである株価下落と円高のダブルパンチの威力はこうなるということですね。
続いては、暗号資産も下がる場合です。ぼくが保有するのは1BTC・1ETHですが、株価が大きく下がる局面でこれらはそれ以上に下がることも多いので、ACWIの倍の▲70%と置いてみます。
<純資産のシナリオC>
オルカン:4,229万円 → 2,262万円(▲1,967万円)
不動産 :5,120万円(変動なし)
暗号資産:1,355万円 → 406万円(▲949万円)
法定通貨:292万円(変動なし)
—————————
合計:8,080万円(▲26.5%、▲2,916万円)
全体では8,000万円を割り込む寸前です。流動性資産がこぞってここまで低下をしていくと、ぼくは定期収入が家賃ぐらいで細いですから、かなり厳しさが増していくように思います。
株価が大きく下がったとき、不動産やゴールドのような現物資産はどう動くのか。
ゴールドは「安全資産」と言われますが、株価の急落と同時にいったん下がることもありました。リーマンショックの年には、高値から3割ほど下がっていますし、コロナショックの2020年3月にも、ピークから10%近く下がっています。株の急落で現金が必要になり、売りやすい資産が売られるためと考えられます。ただ、どちらもその後は上昇に転じています。
不動産はどうか。実際の土地やマンションの価格は、株ほど急には動きません。リーマンショック後の公示地価は、全国平均で2009年が▲3.5%、2010年が▲4.6%と、じわじわ下がっています。一方、上場しているJ-REITは株と同じように高値から一時▲70%近く下がりました。
【出典】3年ぶりに下落に転じた公示地価(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
【出典】下落が続く日本の地価(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
【出典】2010年の公示地価から今後の市況を読む(三井住友トラスト不動産)
【出典】金はいつ反転するのか(ピクテ・ジャパン)
つまり、現物の不動産は、値動きが緩やかなものの評価額は時間をかけてゆっくりと下がっていく。不況に入ることがあれば買い手も減り流動性も下がるでしょう。貸し出す際の賃料の値下げ圧力につながる可能性もあります。
ぼくの場合、ローンのない賃貸物件なので、借り手がいる限りは家賃収入を得続けられるのは強みですが、流動性が下がることで買い手がつかない、つまり現金化の出口を塞がれるなんてことも考えられますね。
そんなわけで前置きが長くなりましたが、2009〜10年の公示地価の2年累計は、全国平均で▲7.9%ですが、東京圏の住宅地は約▲9.1%でしたので、ここもざっくり▲10%にしましょう。
<純資産のシナリオD>
オルカン:4,229万円 → 2,262万円(▲1,967万円)
不動産 :5,120万円 → 4,608万円(▲512万円)
暗号資産:1,355万円 → 406万円(▲949万円)
法定通貨:292万円(変動なし)
—————————
合計:7,568万円(▲31.2%、▲3,428万円)
先ほどまでの下げよりも小幅なのでそんな変化はありませんが、不動産は正直どうなるかわかりませんね。エリアやサイズにもよるでしょうし、何より自分の知見もなさすぎる。もっと大きめの調整が入る可能性もありますしね。
ここまでをまとめるとこうなります。
<純資産のシナリオのまとめ>
シナリオA:オルカンが▲35%(為替は変わらず)
合計:9,516万円(▲13.5%、▲1,480万円)
シナリオB:さらに為替が130円の円高になったら
合計:9,029万円(▲17.9%、▲1,967万円)
シナリオC:さらに暗号資産も▲70%になったら
合計:8,080万円(▲26.5%、▲2,916万円)
シナリオD:さらに不動産も▲10%になったら
合計:7,568万円(▲31.2%、▲3,428万円)
最悪の組み合わせで純資産は3割強の減少。もちろん現金化する場合はここから税金や手数料などが発生しますから、サイズとしてはもっと小さくなる。
こんなシーンに直面した場合、日々の支出も同じかそれ以上に小さくしていくことを考えるでしょうね。家計のやり繰りの巧みさも重要になるわけです。
各種シナリオから見えてくること
ざっくり試算ではありましたが、ここからぼくが気づいたことは3つあります。
1つ目は、為替の影響が思ったより大きいこと。株価が▲35%でも、円高が重なるとオルカンはさらに大きく下がります。あまり円高に振れていくことは想像できないものの、ドル建ての資産を持っている以上、為替込みでポートフォリオを考えておく必要がありますね。
2つ目は、全体を見ると意外と耐えられる構成だということ。これは不動産の存在も大きいわけですが、それを持つべきかどうかというよりも、株式をコアに据えつつも違う属性のアセットも合わせて保有しておくことが重要だということです。
3つ目は、数字上の評価額の減少が本当の課題ではなく、安値で売らざるを得なくなることだということ。評価額が下がっても、売らなければ損失は確定しません。でも、生活費が足りなくなって下落局面で売るしかない状況になると、そこで損失が確定してしまいます。
ぼくの場合、現金保有は300〜400万円のレンジで考えています。取り崩しを相場状況で決めるのではなく、あらかじめルールを設けてそれに基づきやっていく。これは狼狽売りを防ぐ意味でも大きいと思います。
また、自分の場合は借入もありませんから、外部要因で揺さぶられないという点でこれも大きいと思います。
大幅下落に備える心構えとは
では、こうした下落に備えてどんな心構えを持っておくといいのかまとめてみます。
① 資産の中身を確認する
保有する投資信託の「国別比率」や「上位組入銘柄」を把握しておく。分散しているつもりでも、実は米国やIT銘柄に偏っていたりする。
② 株式市場の急落を想定しておく
自分の資産額がどこまで下がりうるかを一度計算してみる。そのとき、慌てて売らずにいられるか。耐えられないと感じるならリスクを取りすぎているのかもしれない。
③ 生活費と投資資金を分ける
当面の生活費や、近いうちに使うお金は投資資金とは別で確保しておく。目安の置き方はさまざまだが、株が下がっても生活が揺らがない状態が重要。
④ どう続けるかを考える
投資を「やめるのはどういう時か」ではなく「どう続けるか」を、相場が荒れる前に冷静な状態で決めておく。自分なりの規律を設けることが身を守る。
⑤ 収入の土台を強くする
資産を塊で持つだけでなく、どんな時代でも乗り越えていくには稼ぐ力の安定も防御になる。つまりキャッシュフローをどれだけ太くしていけるかも重要。
あともうひとつ付け加えるのであれば、指数は下落しても時間をかければ高値を取り戻してきたという歴史的事実です。
あの日経平均だって、なんだかんだ高値を30年以上かけて取り戻しました。もちろんこれは過去の話であって将来を保証するものではありませんが、ここからも言えるのは「戻るまで待てる状態」を作っておくことが、資産運用において重要だということです。
おしらせ
「やわらか中学校」から生まれた4コママンガ「やわらかクエスト -お金と仕事と呪われし大陸-」の公式アイテムがついに登場! 現代社会における世知辛いお金や仕事の話をあえて王道RPG風な世界で描いてみたら、をテーマにnoteでお届けしている本作。登場キャラクターたちがこの度かわいいグッズになりました!
さいごに
今回は、過去の株価ショックを参考に、ぺいぱの保有資産がどれだけ下がるかを試算してみました。ぜひ皆さんもご自身の資産がどのぐらいの規模に縮まるかを試算してみるといろいろな発見や気づきがあるかもしれません。
こういうのは精度よりも、ざっくりでいいから規模感を自分の中で認識しておくことが大事だと思います。事前に計算しておくだけで「自分がどこまで耐えられるか」がなんとなくでも見えてきます。
この「やわらか中学校」では、ぺいぱの資産運用の実体験を中心にお金や仕事に関する話題をお届けしています。ぜひチャンネル登録・いいね・コメントをよろしくお願いいたします!
また、YouTubeサブチャンネル「ぺいぱのひとりごと」は、ぺいぱが興味関心のある話題を取り上げて好き放題喋り倒すラジオのような、ながら聴き用コンテンツとなっています。
そしてこの「やわらか中学校」から生まれた4コママンガ「やわらかクエスト -お金と仕事と呪われし大陸-」をnoteで連載中。中世RPG風の世界観でお金や仕事に関するあるあるネタを扱った作品となっていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
ということで、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。
では、ごきげんよう。
相場急落後の自分を想像しておこう。

