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2028年にも日本でビットコイン現物ETF解禁へ

2028年にも日本でビットコイン現物ETF解禁へ
この記事で分かること

・暗号資産ETF解禁の動き
・暗号資産ETFのポイント
・保有するなら現物かETFか

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

日本で、2028年にもビットコイン(BTC)などの暗号資産で運用する現物ETF(現物型上場投資信託)が解禁される見通しとなったと日経電子版が報じました。ここでは「暗号資産ETF」と呼称します。

記事では、 金融庁が投資信託法の施行令を改正、投資信託の投資先を定める「特定資産」に暗号資産を加える方針とのことです。SBIと野村が商品開発を進めるほか、昨年11月の報道ではこれに加えて、大和、アセマネOne、アモーヴァ(旧:日興)、三菱UFJの6社が暗号資産投資信託の開発を検討していることも明らかになっています。

なお、ETF解禁の流れとは別に、現物取引の税制についても議論が進んでいます。現在、暗号資産は総合課税で最大55%の税率が適用されており、申告分離課税20%への移行が検討されているところ。政府はすでに2026年度税制改正大綱へこの方針を盛り込みました。

どのような暗号資産ETFが登場するのか、税制改正がどう着地するのか、まだまだ「たられば」での話にはなりますが、いますでに現物を保有している個人投資家はどうすべきなのか。今回はこのあたりを考えていきたいと思います。

ぺいぱ自身は2021年9月に1BTC・1ETHの現物を購入し、握り締め続けています。今回の整理を通じて、ぼく自身がどうするかの方向性も示しますので、ぜひ最後までお付き合いください!

暗号資産ETFのポイントを整理

実現すれば、日本の金融市場にとって暗号資産が名実ともにメインストリームへと昇格する歴史的転換点になると言えるわけですが、ここでは暗号資産ETF解禁の主なポイントをまとめました。

① 投資環境の劇的改善とハードル低下

これまで暗号資産投資には、専用取引所の口座開設や、秘密鍵の管理といった技術的・心理的ハードルがあった。これがETF化により、普段使いの証券口座において「株式と同じ感覚」で購入可能に。それによりこれまで敬遠していた層(特に高齢層や保守的な投資家)の資金流入を強力に後押しすることになる。

② 税制改正(分離課税20%)による「不平等」の解消

ここが最大のポイント。現状は最大55%の総合課税(住民税含む)だが、改正後は20%の一律分離課税、および3年間の繰越控除となることが検討されている。これにより、利益が出た際の税金の重さが他の投資商品と同等となる。また、損失繰越が可能になることで、ボラティリティ(価格変動)の大きい暗号資産特有のリスクを投資家がより管理しやすくなる。

③ 機関投資家(プロ)の参入による市場の安定化

個人だけでなく、年金基金や生命保険会社などの機関投資家がポートフォリオの一部として組み込みやすくなる。また、大手金融機関(SBI、野村、三菱UFJなど)が運用に乗り出すことで市場に厚みが加わり、価格形成の透明性や安定性が向上することにもつながる。

④ インフレヘッジ(資産防衛)としての認知

円安やインフレが進む中、「円だけで資産を持つリスク」への意識が高まっている。ビットコインは「デジタルゴールド」とも称されるが、ETFという金融庁の監督下にある正式な枠組み(制度)に組み込まれることで、法定通貨に対する代替資産としての投資対象適格性が認められたことを意味する。

⑤ 課題と懸念点

あえて挙げるとするならば、解禁が2028年と少し先であること。すでに米国等では2024年から現物ETFが登場しており、投資家にとって暗号資産へのアプローチは極めて容易になっている。一方、日本の個人投資家は、投資先の選択肢や税負担(分離課税や損益通算の適用外)の側面で、今後も数年にわたりハンデを負い続けることを意味する。また、暗号資産ETFには「信託報酬(運用手数料)」が発生するため、「税制メリットを優先してETFを選ぶか」「コストを抑えて現物を直接保有するか」、各自の投資スタイルに応じた精査が不可欠となる。(これについては次の項目で詳しく解説)

ここまで5つのポイントを紹介してきました。

ぺいぱが暗号資産で痛い目を見たのは2017年〜18年。かつての「怪しい投機」から、金融庁の監督と税制のルールが整った「健全な金融商品」へ。その転換点がここまで具体的に見えてきたことは、一人の個人投資家としてなんとも感慨深いものがあります。

暗号資産を保有するなら現物かETFか

ぺいぱ自身を含めてになりますが、現時点でビットコイン(BTC)などの現物を保有している個人投資家は、それらを保有し続ける方が良いのか、暗号資産ETFに乗り換えた方が良いのか。将来的に「国内でのETF解禁」と「現物の分離課税」がされたという前提で、それぞれのメリット・デメリットを考えていきます。

A. 現物保有を継続する

メリット:
ETFは証券取引所の取引時間内にしか売買できないが、現物取引は原則24時間365日可能。また、ETFは信託報酬(運用管理手数料)が発生するが、現物保有にはこれがかからない。取引所によっては、現物保有のままステーキングなどのサービスを利用できる場合もある。

デメリット:
暗号資産特有のセキュリティリスクは依然として伴う。証券会社の場合、預かり資産は法律(投資者保護基金など)で守られており、万が一証券会社が破綻したり不正流出が起きたりしても、一定額が補償される投資家保護の仕組みが確立されている。一方、多くの暗号資産取引所では、顧客資産は分別管理されているものの、流出時の法的な保護・補償は限定的か、取引所の任意対応となるケースが多い。また、ウォレット管理やセキュリティ対策を自身で行う必要もあるため、その手間と責任は重く、証券口座とは別に口座管理をする必要もあるため不便でもある。

B. 現物からETFに乗り換える

メリット:
申告分離課税(一律20%)が適用されれば、現在の総合課税(最大55%)よりも税負担が軽減されるだけでなく、他の株式や投資信託との損益通算も可能になる見込み。そして証券会社が資産を管理するため、自身で秘密鍵を管理する手間やセキュリティリスクから解放される。株式など他の金融商品と一緒に管理・売買できるためポートフォリオ管理も容易に。

デメリット:
現物を売却してETFに乗り換える際、その売却益に対して課税が発生する点には注意が必要。特に長期間保有し多額の含み益がある場合、たとえ分離課税(20%)が適用された後であっても、乗り換え時にまとまった税金の支払いが生じる。また、現物保有とは異なり、取引できる時間帯が限定的となることや、保有期間中に継続して運用手数料が発生することも念頭に置く必要がある。

ここまで、「国内でのETF解禁」と「現物の分離課税」が両方とも実現したという前提で、シンプルに2つの選択肢(現物保有 vs ETF乗り換え)を整理しました。

なお「ETFは解禁されたのに、現物取引だけが総合課税のまま取り残される」というシナリオもゼロではありません。そうなってしまうことが、現物ホルダーにとって最悪の結末とも言えるでしょう。

また、この原稿は主にビットコインをイメージしながら書いていますが、世の中には星の数ほどのアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)が存在します。それらすべてが暗号資産ETFとして登場するわけではないですし、すべてがビットコインと同様に分離課税の対象になる保証もない点には注意が必要。つまりA案とB案の間、現物の一部コインだけをETFに置き換えるという選択肢も生まれてくるわけです。

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さいごに

今回は「2028年にも日本でビットコイン現物ETF解禁へ」というテーマで話を進めてきましたがいかがだったでしょうか。

多分に「たられば」が含まれる内容ではありましたが、数多ある暗号資産における「たられば」の中では、かなり地に足がついた話だったようにも思えます。2028年ってすごく先の気もしますが、それなりに大きなルール改定でもありますから、この「2年間」が逆に信憑性ある準備期間にも映ります。

暗号資産保有における一番の懸念はやはり流出リスク。これまで暗号資産取引所から何度も大規模な資産流出事件が起きているからです。

<日本国内の暗号資産流出案件>
 2014年2月 マウントゴックス(480億円相当)
 2018年1月 コインチェック(580億円相当)
 2018年9月 テックビューロ(67億円相当)
 2019年7月 ビットポイントジャパン(35億円相当)
 2021年8月 QUOINE(100億円相当)
 2024年5月 DMMビットコイン(482億円相当)
 ※金額などは当時

【出典】DMM系でビットコインが不正流出(日経電子版)

個人でも取れるセキュリティ対策は、ハードウェアウォレットの利用などを含め多数存在しますが、煩雑だったり紛失リスクが出てきたりと、これもまたハードルが低いとは言えないんですよね。

そういう点で、現在保有している株式などの商品と一括りで管理ができるというのはかなり大きいなと感じます。まぁもちろん、証券口座も絶対的に安心であるなんてことは口が裂けても言えませんが(笑)

ここからはさらに想像になりますが、三菱UFJアセットマネジメントがビットコイン関連の投資信託商品を展開する場合、「eMAXIS Slim」シリーズではなく「eMAXIS プラス」シリーズでの提供となる可能性が高いでしょう。

現在「eMAXIS プラス」は、金を含む、原油、農産物などのコモディティ(商品)に広く分散投資する投資信託「eMAXISプラス コモディティインデックス」、これ一種しか商品がありません。このカテゴリーは、より多様な資産クラスやテーマ型商品を扱うために存在しており、ビットコイン投資信託もここに分類されるのでは、というのが理由です。

暗号資産の管理には、先ほども触れた通り通常の株式とは異なる高度なセキュリティ体制(コールドウォレット管理など)が必要です。これらの特殊な運用コストを踏まえると、「Slimシリーズ」が掲げる「業界最低水準コスト」の実現は難しいというのもありますね。

運用手数料については、先行する米国市場のビットコイン現物ETFが年率 0.2% 〜 0.25% 程度の水準で競争している一方、国内の類似資産(ゴールド投資信託など)は 0.4% 〜 0.5% 程度が相場。

これらの水準と、日本独自の保管・管理コストを考慮すると、国内のビットコイン投資信託は当初 0.5% 〜 0.8% 程度で登場し、その後、運用会社間の競争が激化すれば、最終的にはゴールド投資信託と同程度の 0.4%〜0.5% 前後まで落ち着く可能性があるかもしれません。ま、皮算用もいいところですが。

そして、どの程度の暗号資産が今回の話の対象になるのかは分かりませんが、少なくても時価総額1位・2位のビットコイン・イーサリアムについては手堅く考えてもいいのでしょう。

ちなみに暗号資産に分離課税が適用されて20%になったとした場合、ぺいぱは1BTC・1ETHを528万円で購入していますから、仮に2028年時点でこれらが2,000万円の評価額になっていると、所得税・住民税はざっくり300万円。なかなかパンチある額になりますが、総合課税で給与所得なしの場合は480万円ほど、ありの場合はさらに跳ね上がりますから、これに比べたらぜんぜんマシとも言えるでしょうか。

ただ、数百万円単位の税金を払ってまで暗号資産ETFに乗り換えるメリットがあるのかどうか、というのは正直すごく悩ましいですね。乗り換えた後は運用手数料0.5%だと仮定した場合、年間10万円持っていかれるわけですし。

ぼくは証券口座での一元管理とか損益通算とかいろいろあるメリットを踏まえても、現物の処分で払う税金の上限は2〜30万円ぐらいが限界かな(笑) それ超える利益確定になるのであれば、当面はそのまま現物を持ち続けることになる、というのが今の考え方です。もちろん2028年時点での価格が、取得価格(528万円)を下回っていれば、迷わず投資信託に乗り換えます。

まぁ、いずれにしても現物ホルダーは選択肢が増えるという点で嬉しい悩みが続きそうですが、新規で暗号資産を保有したいと考えている個人投資家にとってETFは極めて優良な選択肢になりそうですね。

皆さんは現物を保有し続けますか? それとも暗号資産ETFに乗り換えますか? または新規でポートフォリオに組み入れますか? 判断基準なども含めて、ぜひコメント欄で教えてください!

この「やわらか中学校」では、ぺいぱの資産運用の実体験を中心にお金や仕事に関する話題をお届けしています。ぜひチャンネル登録・いいね・コメントをよろしくお願いいたします!

また、YouTubeサブチャンネル「ぺいぱのひとりごと」は、ぺいぱが興味関心のある話題を取り上げて好き放題喋り倒すラジオのようなライブ配信番組となっています。

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ということで、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

現物を総合課税に取り残すのだけはやめてくれ。

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