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積立投資いつまでやればいい? ぺいぱ流の卒業ライン

積立投資いつまでやればいい? ぺいぱ流の卒業ライン
この記事で分かること

・人はなぜ物事を続けられないのか
・ティッピングポイントという現象
・1,000万円という節目の重要性

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

最近よく耳にする「積立投資っていつまでやればいい?」という話題があります。そもそも投資は主要なインデックスへ一括投資してあとは放置しておくのが最も合理的とされます。不要な意思や手間を挟まずお金を市場で働かせ続けるためです。

では人はなぜ積立をするのか。それは一括で投じる原資がないためです。やれるんなら最初から一括投資します。それができないからこそ、毎月の労働収入で得られる一部を小刻みに投じていくわけですね。まぁもちろん初心者は投資経験も積立していく必要はありますが。

ぼく自身はオルカン(全世界株式)へ2,500万円一括投資しつつも、そこから丸2年間は毎月30万円の積立を続けていました。これも詰まるところは、一括で投じられる原資に限りがあったためです。

ということは「積立っていつまでやるべきか」という問いは「ほったらかしできる原資をどのぐらい貯めれば良いのか」という言葉に置き換えることもできるわけです。

資産形成のゴールは人それぞれであり、置かれた立場や環境、年齢。そしてそれが教育資金なのか住居資金なのかなど用途もバラバラです。そのため、今回は誰もが共通で訪れる老後資金を念頭に話を進めていこうと思います。

ぼくは長年、この「やわらか中学校」で自身の資産形成を振り返り続けてきた中、資産の重要な節目については結構明確に答えを持っています。それが1,000万円。資産の伸びの加速が一段階高まるサイズだからですね。

近年、国内でもインフレ加速が顕著ですから、この数字の価値もだいぶ落ちてきているなぁとも感じますが、現金の価値が減っている今だからこそ、いち早く放置可能な1,000万円を作り、それを原資にして自己防衛を図ることが大事になるわけです。

そんな今回は、ぺいぱがなぜ1,000万円あれば将来資金としては盤石だと考えるのか。資産の伸びが加速するポイントを読み解きながら話をしていきたいと思います。ぜひ最後までお楽しみください!

ティッピングポイント

どんなことでも、これまでの推移からグッと一段ベースが加速していくポイントが存在します。これは勉強でも仕事でも趣味でも同様です。

着手した瞬間は全てが新鮮で新しいですから、誰もががむしゃらに打ち込む。やがて、見える景色に飽きが生じ、成長が感じられなくなる停滞期を迎えます。そこで多くの人は脱落していくものです。皆さんも資格勉強とか筋トレとかで経験ありませんか?

会社員をやっていて、仕事自体にモチベーションを感じなくなってくる時期も必ずどこかでやってくると思いますが、これも同じロジックですね。それでもじっくり取り組み続けていった人だけが体験できる急激なステージ変化というものが存在します。

ぺいぱ自身も嫌気がさして辞めてきたことは過去たくさんあります。大学時代の音楽活動とか、社会人になってからのデザイナー職種とか。このような大層なものじゃなくても、コンサル付き英会話スクールや出会い系マッチングアプリなんかもそれにあたります。停滞期に入るとどうしても気持ちが続かないんですよね。ただし、冒頭でも述べたように続けていれば必ずどこかで急激な成長を感じる瞬間は訪れます。そこまで粘れるかどうかの世界なんですよね。

ぼくはこの現象を「ティッピングポイント」と表現しています。この言葉、システムにおいて小さな変化が積み重なり、ある限界点を迎えるとそれまでの状態から急激かつ不可逆的に変化する点を指します。流行が爆発的に広がる現象、気候変動問題においての臨界点など、良い面でも悪い面でも幅広い分野で使われます。例えばこんなことです。

世の中のティッピングポイント

携帯電話の普及:
社会に浸透するまでには時間がかかったが、ある時点から爆発的に普及。電話を携帯することへの利便性が一定の人々に認識され、ネットワーク効果などから急激に利用者が増加。

禁煙の社会的規範化:
かつて公共の場での喫煙は一般的だったが、健康被害の科学的知見が広がり、社会的な働きかけが続いたことで、喫煙は徐々に非社会的な行動と見なされるように。

犯罪率の急激な低下:
1990年代のニューヨークでは高い犯罪率が問題視されていたが、それらにつながる街の落書きを徹底的に消していくことを通じ、犯罪発生率を大幅に下げることに成功。

SNSの浸透:
最初期は一部のユーザーで限定的に使われていたが、スマホとの相性の良さ、その速報性や利便性などが一定の閾値を超えると、世界中で爆発的に普及。

サンゴ礁の白化:
海水温の上昇や海洋酸性化によってサンゴ礁の白化が進行し、ある値を超えると広範囲でサンゴが死滅し生態系が崩壊。

企業の組織改革:
組織の一部から変革の動きが始まり、経営層や従業員の意識が徐々に変わっていくことで、やがて組織全体に大きな変革がもたらされる。

最後のやつは、近年大きく報じられた大手アイドル事務所や民放テレビ局の不祥事にも当てはまります。事象が注目され出した前後での組織変化はまさにという感じでしたね。

このように、良いことだけでなく悪いことも含め、ある一定の基準を超えると加速度的に不可逆な変化に向かって突き進むというのは日常生活に当たり前のように存在するわけです。

「万垢」と「億り人」

人間はどうしても楽な方に流されがちな生き物ですから、1つの事象を継続して打ち込んでいくことも稀でしょう。つまり、このようなティッピングポイントを迎えるケースはそれほど多くないと言えるわけです。なぜならば、ぼく自身の事例にもあった通り途中で飽きて辞めちゃうから。

ただ、そんなぺいぱは近年珍しく続けていることがあり、それが何かというとYouTube運営と資産運用。以前にこんな話題を取り上げたことがありました。それが『是が非でも達成したい「万垢」と「億り人」』です。

・YouTubeチャンネル登録者数1万人(万垢)
・純資産1億円(億り人)



是が非でも達成したい「万垢」と「億り人」
是が非でも達成したい「万垢」と「億り人」ぼくは2つほど是が非でも達成をしたい目標があります。それが「YouTubeチャンネル登録者数1万人」「純資産1億円」の2つ。いずれも全体のおよそ3%ほどだと言われています。今回、人はなぜ万垢と億り人を目指したくなるのかという最大の謎に向き合っていきます。...

2024年5月にお届けした回なのですが、この時点ではそれぞれ8,667人・ 8,496万円でした。人によってYouTube運営も資産運用も得意・不得意はもちろん異なるわけですが、ぼくの場合この2つのカテゴリーはなぜか絶妙な感じでいつも並走するんですよね。いま現在もおよそ1万人・1億円とやはり競っています。

で、どちらにも共通点があるなと感じており、それが今日のテーマにも関連していきますが、YouTubeは1,000人までが恐ろしく大変だったし、資産形成も1,000万円到達までが大変だということです。いま現在はそこから10倍になったわけであり、ぼくにとってはここがまさにティッピングポイントだったのだと言えます。


重要な金融資産の節目

以前に、金融資産ベースで8,000万円に到達した際、その過程を振り返って重要だったと感じる6つの節目について紹介したことがありました。


金融資産8,000万円に到達したから分かる重要な5つの節目
金融資産8,000万円に到達したから分かる重要な5つの節目健康だけが取り柄だったぼくが体調を崩し、これまで20年近く勤めていた会社を年内で早期退職をします。来年からFIRE生活を始める準備を進めながら、10月からは新しい挑戦として脚本家学校にも通い始めました。また、7月には資産形成の目標だった金融資産7,500万円を達成し、11月には純資産でも念願の億り人に到達することができるなど、振り返ればこの一年は節目の連続。個人的にはそんな記憶にも記録にも残る2024年が終わりに近づく中、今回はぼくのこれまでの資産形成を振り返る年末企画として、金融資産を築く中で迎えてきた「節目」に焦点を当てて話をしたいと思います。...

それがこれらです。

<資産形成で重要な金融資産の節目>

 ① 100万円:人生で最初に迎えるお金持ちの節目。

 ② 500万円:生活に安心感が生まれる節目。

 ③ 1,000万円:お金を増やしていくことを意識し始める節目。

 ④ 3,000万円:FIREや億り人到達への重要な節目。

 ⑤ 5,000万円:お金に愛される生き方を手にした節目。

 ⑥ 8,000万円:守りのポートフォリオにシフトしていく節目。

よく、資産の伸びは加速していくなんてことが言われますが、それは実体験でもその通りでした。こちらは節目から節目までの到達期間を示したものです。

<金融資産の節目期間>

 ・100万円→500万円(およそ7年)

 ・500万円→1,000万円(およそ6年)

 ・1,000万円→3,000万円(およそ3年11ヶ月)

 ・3,000万円→5,000万円(およそ2年7ヶ月)

 ・5,000万円→8,000万円(およそ1年4ヶ月)

このように後半に進むにつれてその達成期間が短縮していることが分かります。終盤はその金額幅が大きくなっているにもかかわらずです。

そしてこれらの節目の中で「ベスト・オブ・節目」として「1,000万円の壁をどう突破するか」をぼくは選びました。この段階をクリアすると、そこまでに積み上げた経験や資産運用の型を維持することで、資産は自然と増えていくと考えられるからです。

ほったらかしできる1,000万円

多くの場合、1,000万円を築く際、労働収入がメインになるでしょうから会社員のステータスであることがほとんどでしょう。つまり引き続き労働収入が続くと仮定し、1,000万円+生活防衛資金を用意することができれば、この1,000万円はまるまる運用に回しておけることになります。この原資を主要なインデックス投資で運用していくとどうなるでしょうか。

1,000万円を30年放置するとどうなるか

 年2%:1,811万円
 年3%:2,427万円
 年4%:3,243万円
 年5%:4,322万円
 年6%:5,744万円
 年7%:7,612万円
 年8%:1億63万円
 年9%:1億3,268万円
 ※数字は四捨五入

こんなもの皮算用以外の何者でもありませんが、まぁ大体このようなレンジが想定されることになります。

30歳までに1,000万円を作れば、定年までには老後資金の大部分をカバーできる規模が築けていることになります。近年インフレが深刻ですが、年5%程度で運用することができれば2%ほどのインフレは吸収しつつ将来の資産も担保できるわけです。

重要なのは30年という期間です。運用に回せる時間が長けれ長いほど複利効果が働きますから資産の伸びが加速し続けていく。つまり1,000万円を蓄えた時期が30歳ではなくもっと遅かった場合は、その遅れた時間を取り戻すために原資をより大きくしておく必要があります。ぺいぱ自身も40歳になってからの資産形成でしたから大きく出遅れました。

1,000万円を20年放置するとどうなるか

 年2%:1,486万円
 年3%:1,806万円
 年4%:2,191万円
 年5%:2,653万円
 年6%:3,207万円
 年7%:3,870万円
 年8%:4,661万円
 年9%:5,604万円
 ※数字は四捨五入

10年のビハインドです。先ほどの30年放置と比べると圧倒的な差があります。ぼくはそれを取り戻すためにひっしこいて毎月30万円のオルカン積立を2年間ほどやり続けたわけです。なので、資産形成に取り組むということは、時間がとても偉大でかけがえのないものだという学びを得ることにもつながります。

1,000万円という金額は、そこに至るまでに得た知識や経験といった「資産形成の型」完成という側面に加えて、それをまるまる運用で働かせ続ければ将来の備えとしては十分な水準まで目指せるわけですが、もちろんこれが3,000万円とか5,000万円ある方がより安泰なのはそうでしょう。多いに越したことはありません。

ただし、この数千万円というクラスになってくると労働収入で得た稼ぎを節約しながら貯めていく範疇を余裕で超えてきますから、すでに資産の多くが運用に回っていると考えられます。つまり先ほど紹介した「〇〇年放置するとどうなるか」の渦中にすでにあるということです。

逆説的に言えば1,000万円であれば運用の力を得なくても自力で貯めていくことができる現実的なラインです。報道等でも主婦がコツコツ1,000万円貯めたといったような話は見かけますよね。実際、ぼく自身もそうでした。運用せずとも稼ぐ力を高めて節制に努める。例えば、

<稼ぐ力を高める>
 ・年収水準の高い業界に身を置く。
 ・本業以外の副収入を得る。

<節制の務め方>
 ・生活スタイルを一旦リセットする。

そしてこれらをひたすらやり続ける。シンプルにこれだけです。自身の力だけで資産形成を成功されてきた方々は概ねこれらのツボを抑えてあとはひたすら

 ・飽きようが
 ・心が折れそうになろうが
 ・様々な誘惑に駆られようが

地道に続けていく。ほったらかしできる1,000万円さえ手にすることができれば、確実にその後のステージが変わっていくからやるわけです。

おしらせ

キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!

「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテム

さいごに

今回は「積立っていつまでやればよいのか」をテーマに話をしてきましたがいかがだったでしょうか?

ぺいぱ的には「30歳でほったらかしできる1,000万円さえつくれればもういいんじゃない?」という回答です。かなりざっくりですが(笑)

つまり、30歳以前の方はそこまでに1,000万円を目指す。30歳以降の方はビハインドしている額を取り戻す戦いをする。全世界株式の過去100年平均で年5%ほどですから、それで考えるとこんなイメージになりますね。

30歳1,000万円水準を取り戻すには

 31歳 1,050万円
 32歳 1,103万円
 33歳 1,158万円
 34歳 1,216万円
 35歳 1,276万円
 36歳 1,340万円
 37歳 1,407万円
 38歳 1,477万円
 39歳 1,551万円
 40歳 1,629万円
 41歳 1,710万円
 42歳 1,796万円
 43歳 1,886万円
 44歳 1,980万円
 45歳 2,079万円
 46歳 2,183万円
 47歳 2,292万円
 48歳 2,407万円
 49歳 2,527万円
 50歳 2,653万円
 ※数字は四捨五入

改めてですが、これはあくまでほったらかしできる額の話であって、生活防衛資金は別枠です。そして独身を前提にしていますから、家族を持つ場合はお相手ともっと深くシミュレーションをする必要があるでしょう。

なお、節目として紹介した1,000万円の運用にはもちろん手間をかけないことも重要です。基本的には全世界か米国の主要インデックスに低コストで投資をしていくことになりますが、最初の商品選びをした後は「意思を入れない、評価額を見ない、日常に持ち込まない」ことがいいでしょう。自分自身も2021年以降はそんな運用をやっています。

労働収入がある前提で話をしてきましたので、もちろんその後も余剰資金を積立して運用に回すことで、資産の伸びを加速させていくことは可能です。ただ、ここまでくるともはやオプションだと思います。マリオカートでのキノコ取って一定時間ターボかかるみたいなもんです。

ということで、ぼくがもしデロリアンに乗って過去に戻り、20歳の自分に会うことができるのであれば、

「将来の備えを手にいれるためのチケット代だと思って、30歳までにほったらかせる1,000万円到達を目指せ」

そう伝えます。

皆さんは資産形成において、そのステージを変えるポイントになった金額はいくらでしたか? ぜひいろいろなエピソードをコメント欄でおしえていただけると嬉しいです。

この「やわらか中学校」ではお金や仕事に関する話題を中心に、FIRE生活に突入したぺいぱの日常を赤裸々にお届けしています。ぜひチャンネル登録・いいね・コメントをよろしくお願いいたします!

また、YouTubeサブチャンネル「ぺいぱのひとりごと」は、ぺいぱが興味関心のある話題を取り上げて好き放題喋り倒すラジオのようなライブ配信番組となっていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

とにもかくにも1,000万円を作り出せ。

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