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「オルカン」と「地球の歩き方」のコラボブックがおもろすぎる

「オルカン」と「地球の歩き方」のコラボブックがおもろすぎる
この記事で分かること

・「地球の歩き方 オルカン」とは
・企業名からどの国地域かを当てよう
・資産形成に関心が薄い人へのオススメ本

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

ぺいぱの興味・関心のあるエンタメを紹介する「やわ中文化部」。今回はガイドブックの紹介です。

皆さんは旅行に行かれますか? ぺいぱ自身は海外に限って言えば仕事での出張ぐらいしかこれまでありませんでしたが、その際よくお世話になっていたのが旅行ガイドブックです。事前に空港から主要地域への距離とか通貨の両替とか食事の場所とか、そういうものを頭に叩き込むのにめちゃくちゃお世話になってきました。

そんな旅行ガイドブックの代名詞的存在「地球の歩き方」がなんと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と夢のコラボ。「地球の歩き方 オルカン」が2025年8月28日に発売されました。

ファンドを運用する三菱UFJアセットマネジメントと、指数データを提供するMSCIの全面協力・監修のもとに生まれたSlimオルカン公式ガイドブックとなります。

Slimオルカンに組み入れられている世界47の国・地域について、産業を切り口に見どころを紹介
するだけでなく、そもそもオルカンってなんやねんというところから丁寧に解説してくれています。例えばこういうことです。

 ・「オルカン」を支える「株価指数」はココがすごい
 ・「ACWI(全世界株式指数)」の中身を把握しよう
 ・「ACWI」はどう作られる?
 ・「ACWI」が採用しているGICS分類を知っておこう
 ・MSCIってどんな会社?

このほかにも、投資用語の解説や制度の基礎知識、三菱UFJアセットマネジメント・横川社長とMSCI・フェルナンデスCEOによる特別対談や、オルカン生みの親・代田さんへのインタビュー、ファンドマネジャーの1日を追う企画なども収録。オルカンが誕生した背景や支持される理由を深掘りした1冊となっています。

いやー、何よりもセンスありますよね。金融商品のガイドブックって、お堅くなりがちじゃないですか。書店でも投資関連コーナーに置かれて埋もれてしまう感じになっちゃいますし。

そもそもオルカンの存在が株クラの外に出て市民権を得たの、新NISAがスタートした2024年以降だと思うんですよ。「市民権を得る」というのは、そのものをよくは知らないけど名前だけは聞いたことあるという存在。例えば、ゲームは全然やらないけど「ポケモン」や「ドラクエ」は知ってる、みたいなのと近いでしょうか。投資はしていなくても「オルカン」は知ってるってなことですね。

複雑な投資の世界において、これ1つ選べばそれでよし、おまけにコストも最安値水準という超絶シンプルな商品コンセプトであることはもちろんのこと、「オルカン」という愛称を持っていたことも大きい。大抵世の中で話題になる人や商品・サービスって愛称(=略称)が存在しますからね。

ただ、その商品実態を正しく理解し切るのはやはり難しい側面もあります。前回、ロボアドが組入比率を決めていく全世界株式型の投資信託を紹介しましたが、中には「え? Slimオルカンも指数連動だから運用は自動化されてるんじゃないの?」と思っている方いるかもしれません。ちゃんと人の手を介して指数に連動するよう売買をしているんですよね。

また「オルカンは全世界およそ2,530社に投資している」とざくっと言われてもなかなかピンときませんよね。それぞれの国・地域でどんな主要産業があるのか、そしてその地域を代表する企業がどんなところなのかを意識することなく我々は日常生活を送っています。ぼくもそうです。

でも、日本でよくお世話になっている企業やブランドが、実は日本企業でも米国企業でもないというケースはよくあるものです。自動車は分かりやすいかもしれませんが、アパレルやエネルギー、金融などあらゆる分野でそれは言えます。

このガイドブックでは本家「地球の歩き方」同様、各地域に関する情報が産業軸でまとめられており、オルカン組み入れ上位銘柄一覧も掲載されています。例えばこんな感じです。皆さんもどの国・地域の企業か当ててみてください。

<A>
 ショッピファイ(情報技術)…ECサイト構築 
 エンブリッジ(エネルギー)…石油や天然ガス
 ブルックフィールド(金融)…オルタナティブ資産運用

<B>
 TSMC(情報技術)…半導体受託製造
 鴻海精密工業(情報技術)…電子機器受託製造
 デルタ電子(情報技術)…電子機器メーカー

<C>
 アストラゼネカ(ヘルスケア)…医薬や医療製品
 シェル(エネルギー)…石油や天然ガス
 HSBC(金融)…商業銀行が主体

<D>
 SAP(情報技術)…ビジネスソフトウェア
 シーメンス(資本財)…総合電機メーカー
 アリアンツ(金融)…各種保険

<E>
 ネスレ(生活必需品)…食品・飲料会社
 ノバルティス(ヘルスケア)…製薬・バイオテクノロジー
 UBSグループ(金融)…多国籍投資銀行

<F>
 LVMH(一般消費財)…高級品コングロマリット
 トタルエナジーズ(エネルギー)…総合エネルギー企業
 エアバス(資本財)…航空宇宙機器大手

普段から経済や金融の情報に触れている人には簡単だったかもしれませんね。答えは、Aがカナダ、Bが台湾、Cがイギリス、Dがドイツ、Eがスイス、Fがフランス。

地域名が社名に入っちゃう企業が多かったので中東・アフリカ企業はここで取り上げませんでしたが、本書では「北米・南米」「アジア・オセアニア」「ヨーロッパ」「中東・アフリカ」までしっかりカバーされています。

こうやって見ていくと、よく耳にするような企業が米国以外のケースって結構あるんですよね。オルカンも中身は6割が米国企業ですから、S&P500に張っていれば最も効率的だというのは、確かに今の時点を見ればそうでしょう。しかし遠くの将来を見据えるほどそれが分からなくなってくる。こうした世界各地域の企業名を見ているとどこで何が生まれてくるか分かりませんから、「選ばないことを選ぶ」ことの重要性と、それを体現しているのがオルカンであるということを、改めて思い出させてくれます。

こういうことを知るきっかけとして、旅行ガイドブックとのコラボは手に取る敷居を大きく下げますね。「投資」には興味なくても「旅行」ならある、という人は多いからです。そうした自分の関心ごとと金融商品をゆる〜く結びつけてくれるのがこの「地球の歩き方 オルカン」の強みなわけです。……がしかし、ぼくが購入した書店では、ガッツリ投資本コーナーに置いてありました(笑) それじゃだめなんですよ。全国の本屋さんに言いたい、ちゃんと旅行ガイドブックコーナーに置いてください!

さて、ぺいぱがこの書籍で個人的に面白かったのは、オルカンを運用している三菱UFJアセットマネジメント社員の一言アンケート。各国・地域の紹介をしているページ下でさり気なく取り上げられているんですよね。例えばこんな声があったりします。

・eMAXIS Slimシリーズの魅力的なラインナップができたので、投資スタート。「株式の国際分散投資、これ一本!」と思いオルカンを買っている。必要なら使うが、基本、保有し続ける(30代・男性)

・大学院時代に借りた奨学金の余剰を元手に投資スタート。いつか住宅を購入したい。また、PCの変換ソフトが “オルカン→オルガン” に修正してしまうので、辞書に載るくらいの市民権を得たい(20代・男性)

・選ぶ労力をかけたくないからオルカン一択。「将来のわたしがライブにたくさんいけるように♡」とNISAを使って投資をしている。このお金で20年後にライブ行くぞ〜!(20代・女性)

他にも山ほどこうした社員の一言コメントが載っていてめちゃくちゃ見所なのでぜひ気になる方は本書を手に取って見てください。あと、一つ確実に言えるのは、オルカンは社員にも愛されている商品だということです。特に若い人にも。

伊丹十三監督作品「スーパーの女」では、パートさんたちが自分の勤務しているスーパーでは商品を絶対買わないという演出がありました。質も値段も競合店に劣るダメなスーパーであることを示していたわけです。つまり逆説的には働いている人が自信を持って自社の商品・サービスを手に取れるって凄いことだと言えます。

そんなわけで、ぺいぱがお金や資産形成に関心が薄い人たちにオススメしてきた書籍としてはこれまで、

この2冊が定番でしたが、そこに「地球の歩き方 オルカン」が新たに加わりました。

「地球の歩き方」はこれまでもコラボブックをいくつも発売しています。「ジョジョの奇妙な冒険」「ディズニーの世界」「宇宙兄弟」「ムー 異世界の歩き方」など。どれもその分野や作中と旅とを結びつける面白いコラボでした。

今回は旅行ガイドと金融商品であるSlimオルカンとのコラボという、それぞれの位置付けは遠いけど、よくよく考えるとすごく近い、もはやトンチともいえる本書の企画者の方には大きな拍手を送りたいです。

とか思っていたら、日経電子版にこんな記事が掲出されました。記事の一部を紹介しましょう。

興味深いのが、ガイドブックの誕生秘話だ。地球の歩き方取締役の宮田崇氏は2024年6月に三菱UFJアセットマネジメントの特別業務顧問オルカンアンバサダー(当時は同社常務)の代田秀雄氏から、地球の歩き方編集室の一般代表窓口に「『オルカン』と『地球の歩き方』は親和性が高いのではないか。一度お話したい」とするメールが届いたことを明かす。当時、編集室のメンバーはピンと来なかったものの、会社の上層部から「とんでもない人から連絡があった」と知らせが入り、大騒ぎになったという。

【出典】「地球の歩き方 オルカン」きっかけは編集室に届いた一通のメール(日経電子版)

なんと、きっかけはオルカン生みの親・代田さんだったんですね。

少し話がそれますが、代田秀雄さんは2025年4月1日付で三菱UFJアセットマネジメントの常務取締役を退任して、奥様と株式会社シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズという自身の会社を立ち上げられたんですよね。

通常、勤務先を退社をするとどれだけ貢献してきた人でも関係性が難しくなるものです。辞めた側は過去の実績を公の場所で語りづらくなるし、一方で辞められた企業側もその人が携わってきた商品・サービスの情報発信方法に苦慮する。どんな業界にもそんなことありますよね。

ただ、代田さん。退任後も三菱UFJアセットマネジメントの「特別業務顧問」としての肩書きが残ってるんですよね。名誉職的な位置付けになるんだと思いますが、これだと先ほど触れたような問題は起きないわけです。現にこの「地球の歩き方 オルカン」には代田さんが「生みの親」としてインタビューに答えているわけです。一番いい会社の辞め方だなと思いました。

話が脱線しまくりましたが、皆さんは投資への関心が遠い人に向けて紹介しやすい書籍って何かありますか? ぜひコメント欄で教えてくれると嬉しいです。

おしらせ

キャラクター”ぺいぱ”がデザインされた「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテムがついに販売開始!トイレットペーパーを模したキャラデザの由来は、古くなったお札が再利用されてトイレットペーパーになることや、ウン(運)がつく縁起ものだからなど、諸説あり。いずれのアイテムも日常使いできるシンプルデザインです!ぜひお買い求めください!

「資産運用学園やわらか中学校」公式アイテム

さいごに

この「やわらか中学校」ではお金や仕事に関する話題を中心に、FIRE生活に突入したぺいぱの日常を赤裸々にお届けしています。ぜひチャンネル登録・いいね・コメントをよろしくお願いいたします!

また、サブチャンネル「ぺいぱのひとりごと」は、ぺいぱが興味関心のある話題を取り上げて好き放題喋り倒すラジオのようなライブ配信番組となっていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

投資をすることで世界を知る。

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