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世代別投資スタイルのリアル:シニアは趣味と実益、若者は防衛と不安

世代別投資スタイルのリアル:シニアは趣味と実益、若者は防衛と不安
この記事で分かること

・年代別でまったく異なる「投資目的」と「商品選び」
・シニア世代は趣味と実益の投資ライフを満喫している
・若い世代ほど「資産防衛」としての投資傾向が強い

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

今回は、日経マネーが発表した「個人投資家調査2025」から、世代別の投資スタイルに注目してみようと思います。

この調査は、月刊誌『日経マネー』が毎年実施しているインターネット調査で、期間は2025年4月10日~5月6日、有効回答数は9,163人です。資産状況や投資の目的、選んでいる金融商品、目標とする利回りなどが、世代によってまったく違うという興味深い結果となっています。

今回は、そんな世代間ギャップから見えてくる投資観の違いを、ぺいぱなりに読み解いてみたいと思いますので、すでに投資をしている方も、これから始めようという方も、ぜひ最後までお付き合いください!

投資は「攻め」より「守り」の時代に

まず、全体の傾向を見て強く感じたのは、いまや多くの人にとって、投資は「攻め」ではなく「守り」の手段になっているということです。

投資する理由は?

たとえば、今回の調査では「投資の目的」を複数回答で聞いていますが、上位に並んだのは、

「老後資金づくり」
「生活資金の上乗せ」
「インフレ対策」

といった、防衛的な目的ばかりでした。まさに、いまの時代を象徴していると感じます。さらに年代別に見ると、30代以下の若い世代では、


「勤労だけでは得られない大金を得る」
「給与収入だけでは不安」

といった、生活の足元を補う意図が表れています。これには、強く共感する人も多いのではないでしょうか。賃金が思うように増えず、税金や社会保険料の負担は重くなっていく。そうなると、投資は夢を叶える手段ではなく、生活防衛の一環になる。「守りの投資」という言葉が、すっかり定着しつつあるように思います。

シニア世代は、実益+楽しみ

一方で、60代・70代のシニア層になると、投資に対するスタンスがガラッと変わります。アンケートを見ると、

「社会・経済の勉強」
「投資自体が楽しい」

といった声が他の世代よりも高く、まさに趣味と実益を兼ねている様子がうかがえます。

しかも、この世代は資産をしっかり持っている人が多いんですよね。3,000万円以上の資産を持つ人が、40代以下は1割に満たないのに対し、60代は26%、70代以上は42%。現役時代にしっかり貯めて、退職金も受け取った人たちが中心になっているからでしょう。

金融資産残高は?

そんな背景に加え、日本株の個別銘柄を好む人が9割以上というのも面白いですね。企業のIR情報を読み込んだり、株主優待を楽しんだり、投資が一つの娯楽になっているんですね。ある意味、株式投資が「第二の人生の楽しみ」、知的好奇心を満たす「頭の体操」として、前向きに取り組んでいるシニア層の姿が浮かび上がってきます。

運用する金融商品は?

若い世代はインデックス投資が中心

一方で、40代ではETFや投資信託が、30代以下ではそれに加えて米国個別株を選ぶ傾向が見られました。この米国個別株については、テスラやエヌビディアなどの急成長株の影響かもしれませんので一側面に過ぎないとは思います。

全体感としては、ある意味とても合理的だと思うんですよね。というのも、若い世代って、そもそも投資に使えるお金が限られていたり、仕事や子育てで忙しくて、日々の株価チェックに時間を割けなかったりする。だけど、将来への不安はあるし、老後の備えはしたい。そんな状況の中で、コツコツ積み立てるインデックス投資を中心に選ぶのは理にかなった判断だと思います。

いまの新しいNISA制度との相性も抜群で、「長期を見据え、低コスト商品を、分散して持つ」という投資の王道を、若い世代が自然と取り入れている印象があります。非常に頼もしい流れですね。

シニアほど「目標利回りが高い」という意外な事実

そして今回、もう一つ驚いたのが、目標としている利回りの高さです。

投資利益の目標は?

特に70代以上のシニア層で「10〜20%未満の利回りを狙っている」と答えた人が、なんと全世代で最も多かったんです。「20〜50%未満」でも高めに数字が出ています。かなりアグレッシブですよね。

一方で、30代以下では目標利回りを「5%未満」「5〜10%未満」と答えた人が中心で、こちらはかなり堅実。つまり、教科書でよく言われる「年齢とともにリスクを抑えるべき」というセオリーとは逆の動きになっているんです。

これ、どういうことかというと、もしかしたらシニア世代の多くは、すでに退職金などでまとまった資金を持っていて、その余裕資金の一部を投資に回しているためかもしれません。ほかにも経験の量の差とか、歳とると怖いものがなくなるとか……だんだん考察がアバウトにはなっていくのですが、いづれにしてもより積極的な運用を選んでいる実態があるようです。

ぺいぱの感想

今回の調査結果を見て思ったのは、改めて世代によって投資の目的もスタイルもぜんぜん違うんだなということです。まぁ、投資情報誌のアンケートですからバイアスかかっている側面も十二分にあるとは思いますが。

特に印象的だったのは、60代・70代のシニア世代。この世代は個別株が中心で、それ自体を「楽しい」と感じている。利回りの目標も高めで、けっこうアグレッシブな運用をしているようです。これはもう、趣味と実益を兼ねた投資。企業研究やIR情報を見るのが日課になっていたり、優待銘柄を集めていたり。生活費を補うというより「資産を使いながら楽しむ」という感覚に近いのかもしれません。

一方で、ぼくが属する40代、そして30代以下の層では、インデックス投資を中心に「コツコツ長期で積み立てていく」という姿勢が主流です。利回り目標も控えめで、安定性を重視。理由としては、可処分所得の少なさや、老後資金への不安。だからこそ「攻め」よりも「守り」のスタンスが強いんでしょうね。NISA制度との相性もよく「長期・分散・低コスト」の考え方が、ネットやSNSを通じて広く浸透しているとも言えます。

この世代間での違いには情報源の差もあるのでしょう。シニア世代はテレビや雑誌、若い世代はネット中心。その結果、選ぶ投資スタイルも自然と変わってくるわけです。投資のあり方は一人ひとり違って当然ですが、こうやって世代間の違いを知ると自分のスタンスもより明確になってくる気がしますね。

しかしやっぱり、60代・70代の方が日本の個別株を売ったり買ったりしている姿にはぼく個人としては、ちょっと気になるところもあるんですよね。もちろん、ちゃんと生活防衛資金とは切り分けたうえで、余裕資金の範囲で「趣味として」やっているのであれば問題ないと思います。

でも、中にはそうじゃないケースもあるのかなと。年齢を重ねるほどに大きな下落リスクを背負うのは難しくなるものです。この数年、日本株が強かったからこそ気づかない落とし穴があるような気もします。

そしてもちろん、ぼくらの世代もあと20年・30年もすればシニアになるわけで、そのときの30代前後がどう投資と向き合っているのか、きっとまた全然違う形になっているんだろうなとも思います。

テクノロジーも変わっていくし、制度も変わる。それでも世代間ギャップというのは、埋まらずに存在し続けていくのかもしれません。20年後、30年後、また同じような調査があって、「今のシニア世代はインデックス投資しかやってなくてわろた」なんて言われてたら、それはそれで面白いですね。

今回のアンケート調査、皆さんはどう思われましたか? ご意見やご感想、自身ではこんな形で取り組んでいる、周囲の人たちはこんな感じなど、ぜひコメント欄で教えてください!

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さいごに

この「やわらか中学校」では、取り上げてほしいテーマを募集しています。すべてにお答えできるわけではありませんが、今後のテーマ選びの参考にさせていただきます。また、ぺいぱに聞いてみたいことなども大歓迎です! ぜひコメント欄で教えてください!

人生はノーコンティニュー! 悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

投資スタイルの世代格差はエグい。

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