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就職氷河期世代は「一生踏み台」なのか? 就職氷河期世代のぺいぱが分析する

就職氷河期世代は「一生踏み台」なのか? 就職氷河期世代のぺいぱが分析する
この記事で分かること

・就職氷河期世代の定義と背景、そしてその影響
・就職氷河期世代が直面する経済的、精神的苦境の実態
・自らの経験をもとに、逆境を乗り越えるための戦略と希望

ごきげんよう、ぺいぱです。

動画解説

このブログの内容は動画でも解説しています。

このところ良く耳にするようになった「就職氷河期世代」。最近、毎日新聞が「氷河期世代『●ぬまで踏み台』若手だけ給与上昇、格差あらわに」と題した記事を掲出し、その衝撃的な見出しがSNSで大きく拡散されたのは記憶にも新しいところです。

記事によれば、昨今の賃金上昇は若年層に偏っており、氷河期世代にあたる中高年の賃金は、停滞または減少している実態を報じています。第一生命経済研究所の熊野氏が、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに2019~24年 直近5年間の給与増減率を年代別に比べたところ、このような結果となっています。

年代別の所定内給与の増減率(19年から24年・大卒)

 「20~24歳」+10.3%
 「25~29歳」+9.5%
 「30~34歳」+5.8%
 「35~39歳」+4.8%
 「40~44歳」+0.1%
 「45~49歳」+2.1%
 「50~54歳」▲3.0%
 「55~59歳」+4.9%

【出典】氷河期世代「●ぬまで踏み台」 若手だけ給与上昇、格差あらわに(毎日新聞)

このことからも、最も割を食っているのは40~54歳と言え、これはまさに就職氷河期世代にあたります。

今回は、自らも2000年に社会人としてスタートし、就職氷河期世代ど真ん中のぺいぱが、そもそも氷河期世代とは何か、その層は何に困っているのか、そしてどのようにこの立場を克服できるのか。これらについて、自分の経験を交えながら分析してみたいと思います。

就職氷河期世代とは?

「就職氷河期世代」とは、1993年から2004年頃に就職活動を行った世代を指します。バブル崩壊後の厳しい経済環境の中で、正社員としての採用枠が極端に縮小され、当時は多くの若者が非正規雇用や低賃金の職に就かざるを得ませんでした。

そのため、この世代は就職氷河期と呼ばれており、一般には40代から50代前半が対象となります。社会人の第一歩を大きく躓いてしまっていることから、不遇だった就職環境がその後の生涯にわたる給与やキャリア形成に大きな影響を与えているわけです。

就職氷河期世代は何に困っているのか?

抱える問題は多岐にわたります。ここでは主な要因を4点に絞って紹介します。

① 採用環境の悪化と非正規雇用の拡大
就職活動当時、企業はバブル崩壊後の厳しい経済環境下で、既存社員の雇用維持を優先し正社員採用枠を大幅に削減した。その結果、多くの若者が非正規雇用に甘んじ、十分なキャリアアップの機会を得られず、生涯にわたる給与の伸び悩みや昇進の難しさに直面している。

② 賃金の停滞と上昇率の格差
先ほどの給与増減率調査にもあるように、20〜29歳の若手は初任給や昇給で大幅な上昇を見せる一方、40〜54歳層の賃金はほとんど上がらず、場合によっては減少している。これにより、世代間の収入格差が拡大し、将来の生活設計に不安が増している。

③ キャリア形成の停滞と将来の不安
非正規雇用の長期化や低賃金環境の中で働くことで、十分なスキルや経験を蓄積できず、正社員への転換や昇進の機会が著しく制限されている。この結果、将来的な年金、医療、そして家族を養うための資産形成に対する不安が大きくなっている。

④ 社会的評価と精神的負担
氷河期世代は、就職活動や職場で「自己責任」との批判を受け、厳しい評価を浴びることが多いため、自己肯定感やモチベーションが低下しがち。このような精神的負担が、さらなる成長意欲を妨げ、社会全体としての評価低下に拍車をかけている。

このように、就職氷河期世代が直面している問題は、単に個人の努力不足だけではなく、就職環境、賃金体系、キャリア形成、そして社会的評価といった複合的な要因によるものと考えることができます。

就職氷河期世代がその立場を克服するためには?

厳しい現状を打破し、未来を切り拓くためには、このような戦略が有効だと思います。

① スキルアップと自己投資
市場価値の高いスキル(プログラミング、データ分析、AI関連など)を習得することが、キャリアの大きな転換点となり得る。オンライン講座や資格取得を通じたいわゆるリスキリングは、転職や副業のチャンスを広げ、収入の複線化を促します。

② 情報収集とコミュニティの活用
正確で有用な情報を得るため、信頼できるニュースサイトやレポートを積極的に活用し、同じ悩みを抱える仲間とのオンラインコミュニティやSNSでの情報交換を行う。これにより新たなやる気や気付きを得ることで、キャリアチェンジやビジネスチャンスの機会が生まれる。

③ 副業・複業の積極的活用
企業の給与だけに依存しない生計基盤を築くため、スキルシェア、物販、資産運用など、複数の収入源を確保することがリスク分散につながる。これにより、経済状況や企業業績に左右されにくい安定した生活基盤を形成できる。

④ 組織内での改善提案と交渉
自身で完結する行動だけでなく、企業全体の労働環境の改善にも働きかけることが必要。成果型報酬制度の導入、年齢にとらわれない昇進システムなど、組織全体の改革を促す取り組みが環境改善の一助になる。ただしここは時間も労力も必要。

就職氷河期世代がその苦境を乗り越えるためには、対象者自身が自ら行動するしかないというのが実情ですが、本筋でいけば、政府や企業が適切な賃金支給、スキルアップ支援などが行き届く取り組みを推進することが必要です。しかし他者を期待するだけでは何も始まりませんので、まずは自分から。そういうことになります。

就職氷河期世代のぺいぱはどう受け止めているのか?

ぺいぱ自身も氷河期世代に属しています。正直なところ、ぼくの人生振り返ると「充実していた」とは決して言えません。40代半ばに突入し、結婚もできず、彼女もおらず、体調を崩し、会社を早期退職し、これまでのつながりをすべて断ち切った結果、今は友達もおらず孤独に生活しています。しかし、唯一救いとなっているのは、お金に困っていない点です。その背景には、このような具体的な取り組みがありました。

① キャリアの転換と継続的な学び
大学に通いながら学費を貯め、専門学校でデザインを学ぶ。2000年に社会人をスタートし、最初はモバイルコンテンツなどを手掛けるITベンチャーにデザイナーとして身を投じる。その後、大手IT企業に転職して経験を積み、2007年から社会人大学院に通いMBA(経営管理修士)を取得。2021年にはAFP資格(ファイナンシャルプランナー)を取得、昨年10月からは脚本家学校に通い始めるなど、節目節目で勤務先の仕事とは全く関係のない場所・環境で知識を得ていく。これらは自己研鑽というような崇高なものではなく、飽き性なので同じことだけやっていると続かないから。いわゆる「味変」という位置付けだが、結果的にこれらの行動が視野を広げている。

② 幅広い部署や職種を経験
職種でいくと、デザイナーからディレクター、プロデューサー、マネージャーと、四半世紀に及んだ社会人経験の中で色々な職種を経験。最終的には100名ほどの部門長、つまりしがない管理職を最後に会社員を卒業。所属組織も、開発・人事・広報などその範囲は多岐に渡り、1つの分野を深掘りしていくスペシャリスト人材とは真逆のゼネラリスト人材。結果的ではあるが「どこでも潰しがきく」ようになる。あと、「フリーランス」「ベンチャー」「大企業」をそれぞれ経験してきたということも大きかった。

③ 資産形成とFIREへの道
2017年に海外個別株を始め、2020年夏から本格的に資産運用を開始。腰を据えて「収入増」「貯蓄率上昇」「利回り向上」を積み重ねてきた結果、2024年11月に億り人を達成、12月には住宅ローンを完済、2025年からはFIRE生活に突入することに。何事も「やり出すととことん突っ込んでやり切る」性格なので、お金に関しても直近4年間で大きく状況を変えていったことになる。

これらの経験は、すべての人に当てはまるものではありませんが、少なくても氷河期世代が必ずしも「一生踏み台」となるわけではなく、自らの行動と環境の改善により状況を打破できる「可能性」があることを示しています。

ぼくの同年代でも、起業して成功している人、会社員で大きな役割を得ている人、個人で活躍している人がそれなりの数いらっしゃいます。この人らはマイノリティなのかもしれませんが、行動力の差がその後の10年・20年後に大きな差になる。まさに複利効果なのだと思います。

さいごに

今回は「就職氷河期世代は『一生踏み台』なのか? 就職氷河期世代のぺいぱが分析する」というテーマで話を進めてきましたが、いかがだったでしょうか?

氷河期世代の定義やその抱える課題、そして克服するために必要なぼくなりの戦略についてお話ししました。当時の厳しい就職環境や低賃金、非正規雇用の影響により、氷河期世代は生涯にわたる経済的苦境に直面しがちです。

しかし、情報・コミュニティ、スキル、副業、資産運用などの手法を駆使することで、その逆転は十分に可能なように思います。政府や企業も、この世代の苦境を解消するために真剣な取り組みが求められますが、まずは何よりも個人が自らの力で状況を打破する姿勢が鍵となります。

また、氷河期世代で特に問題視されるのは、社会的評価の低さからくるモチベーションの低下です。就職当時の厳しい環境や自己責任論により、将来に対する希望が薄れ、やる気を失ってしまうケース、この世代には多く見られます。

ぺいぱ自身は当時、ガジェット好きのオタク青年で、Macだけが友達でしたので、世の中のこうした動向に関心を寄せていませんでした。そのため、あまり苦境の実感はありませんでしたが、いずれにしても前向きに行動することで、小さな成功へとつながると感じています。

行動している人の周りにはそういう人が集まるし、その逆も然り。だからこそ、自分の身を常に律していれば、どんな環境だとしても未来を切り拓けるのではないでしょうか。…ま、言葉で表すと、どうしても綺麗事みたいになってしまいますけどね。

皆さんも、もし自分のキャリアや生活に不満を抱えているなら、ぜひ一度立ち止まり、自分が直面している問題を冷静に見つめて、どのように克服していくかを書き出してみると良いでしょう。ポイントは「一旦立ち止まる」ことです。走りながら考えてもまとまりません。

ぜひ、皆さんからも就職時期での体験やその後に得た教訓など、ご意見・ご感想をコメント欄にいただけると嬉しいです。

人生はノーコンティニュー!悔いのないようにやっていきましょう。

では、ごきげんよう。

今日のまとめ

踏み台も、重ねていくと、高台になる。

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